モンハンブログ 週末の笛吹き

主にMH3GとMH4、MH4Gそしてモンスターハンタークロスのプレイ日記を書いていきたいと思います。現在は「ロキ」という名前でオンラインに出没中。モンハン以外の事を書くブログ「ロキの試験的駄文」も始めました。

モンハン小説未来編 第六話 後編「 ウルズ、酒を飲ませる」 その2 

さてさて。
フレイア行き付けのバー「ブレイブハート」に案内されたウルズ。
そこで彼女は一つ、策を弄します。

本来、人見知りというか、他人を信用しない性格で、その代わり他人に踏み込んでも行かないウルズ。
それがこうやって、それなりに楽しく飲み会をしているのは、それだけフレイアに心を開いている証拠にもなります。

古い考え方かもしれませんが、個人的には「飲みニケーション」はありだと思っています。

しかし、それは互いの信頼関係や仲間意識、相互の協力関係があって初めて有効なこと。それが無い場合は、無効どころか有害にすら成り得ます。

最近の若い人が会社関連の飲み会を嫌う、と、よく聞きますが、それはそういう関係が構築されていない場合が多いからのではないか……などと思ってしまいます。

確かに、上司や先輩などが楽しくなりたいだけの飲み会であれば、そりゃ自分も行きたくない。時間の無駄と考えるでしょう。

フレイアとウルズ、そしてロキ。更には、ゲストキャラ達。
彼らには「楽しい飲み会」を開ける信頼関係を構築していってもらいたいものです。

……先日飲んだキールに関しては、また今度に書こうかと思います。


モンスターハンターランキング





04.企み

 さて、私は多少の計画を立ててココに来た。

 今日の目的は、一つは美味しい食事とお酒を楽しむこと。
 
 そしてもう一つは、フレイアが酔っ払ったらどうなるのかを見ること。
 そのためには自分が酔っ払うわけにはいかないので、これには多少の策を弄するつもりである。

 腰を落ち着けると、フレイアが少しワクワクした感じで言った。
「とりあえずチーズフォンデュを頼んで、一緒に食べましょう。あとはそれぞれ、好きな物を注文すると良いわ」
 異論はない。
 高山地帯で放牧されている、ムーファという羊のような動物のミルクから作られたチーズと、それを利用したチーズフォンデュは最近の流行りで、一度食べてみたいとは思っていた。

 注文を聞きに来たマスターに、フレイアとロキは慣れた感じで注文をした。
「私はアンジェロ」
「オレはシルバーヴァインマティーニで」
 そして、少し言葉に詰まった私を、三人が見た。
 だが、こういう場合の振る舞いは、書籍で既に勉強済みである。
「私は、お酒を飲み始めたばかりなので、飲みやすい物を、マスターのおまかせでお願いします」
「なるほど、分かりました。少々おまちください」
 
 マスターが下がって行ってから少しして。
 私は、二人に断って席を立った。ハッキリとは言わないが、トイレであると思わせておく。
 その足で私はカウンターへと行き、チーズフォンデュの準備をしていたマスターに、フレイアとロキには聞こえないよう小声で注文をした。
「申し訳ありませんが、自分はあまりアルコールに強くないみたいなので、出来れば度数の低いものをお願いします」
「わかりました。ではそうですね、実はキールを、と考えていたのですが、少しカシスジュースを混ぜて薄めましょう。普通よりも甘くなりますが……」
「ああ。甘いのは好きなので大丈夫です。すみません」
「いえいえ、好みをお伝えいただけたほうが、私としても作りやすいので助かりますよ」
「あの……あと……」
「はい?」
「向こうの二人には、アルコールを薄めるのは伝えないでほしいのです。せっかく連れてきてもらったのに、お酒に弱いと言うのも気が引けるので」
「なるほど、わかりました。では普通のキールということでお出ししましょう」
「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」

 マスターの前で繊細な女性像を演じ、私は席に戻った。
 年上の男性は苦手だが、ここのマスターにはあまり不安を感じない。クマのような見た目はともかく、低く優しい声と、落ち着いた物腰のためだろう。
 
 席で三人で会話をしていると、まず食前酒ということでカクテルが運ばれてきた。
「では、初めての飲み会という事で楽しみましょう。乾杯」
「乾杯!!」
 フレイアが音頭を取って冷えたグラスを手に軽い乾杯をし、軽く唇を付けた。

 私のグラスに入ったキールは、カシスの黒に近い紫が白ワインと混ざって半透明の赤紫に変化した美しいカクテルで、まるで宝石が液体化したかのようだ。
 注文通り、やや甘口だがアルコールはあまり感じられない。

 本来のレシピではないだろうに、マスターの腕が良いのだろう、とても飲みやすく作られていた。

 フレイアが注文したアンジェロは、パイナップルジュースとオレンジジュースの入った黄色い綺麗な見た目で、ロキのマティーニは透明な液体の中に木の実が入っている。

 モツ屋の店主には悪いが、まあなんというか、世界が違う感がある。



05.酔いと語り

 チーズフォンデュを中心に、個人個人で注文したピクルスや生ハムのサラダを食べながら、私たちはグラスを傾けていた。

 正直、自分が来るには少々ハイソ過ぎるバーではあるが、それだけに雰囲気もよく、食事も美味しく。

 何よりも、お酒が進んだ。
 
 やはり、アルコールを低く頼んでよかった。
 実のところ、家で何本か瓶を空けた経験から言って、私はそれほどアルコールに弱いわけではなさそうなのだが、今回は自分が酔うのが目的ではない。
 フレイアが酔ったらどうなるのかを見るのが目的なのだ。

 酒も食事も美味しいだけに、不純な動機を抱いている事を少しマスターに申し訳ないと思いながら、私は見るともなしにフレイアを観察していた。

 明らかに、彼女は酔い始めていた。

 頬がやや上気し、口もいつもより滑らかだ。
 絡み酒や泣き上戸のような、悪いタイプの酔い方はしないらしい。それは私にとっても嬉しいことではある。

 フレイアが常に……狩猟中はもちろん、今この時にも身につけているネックレス型の牙製の小瓶について、私が聞いたところから、話題が広がっていった。
 
 フレイアは牙製の小瓶を撫でながら、ちょっと饒舌に、自分の村の事を話し始めた。

 かつて、村がドスジャギィの大群に襲われたことがあったらしい。まだ幼かったフレイアは、その時、好奇心から村を抜け出し、一匹のジャギィに襲われたのだそうだ。

 その時にひどく怒られて、ものすごく痛いげんこつを貰った、とフレイアは言った。
 ロキが半笑いで、まあ隊長のゲンコツは本気で痛いニャと口を出す。
 ロキをオトモアイルーとして鍛えたのもその村付きハンターで、オトモたちからは隊長と呼ばれていたそうだ。
 
 そして。
 その小瓶は、その時フレイアを襲ったジャギィの牙から作られたものを送られたのだと言う。
 中に武器の研磨に使う油が入った「研磨珠」と呼ばれる装飾品の一種だが、それほど高価とは思えなかったそれを、やけに大切そうにしていると思っていたが、そういう事だったのか。

 フレイアは「これを見る度にあのときの事を思い出せ。死ぬことによって、周りに迷惑と哀しみを振りまくことを忘れるな」と言われた、と、顔をしかめた。
 祝福ではなく、戒めとして渡されたのだそうだ。
 もっとも、それを常に身に着け大切にしているのは、込められた想いをフレイアがきちんと受け取っているということなのだろう。

 私としては、そういう事もすべて羨ましいと感じられる。

 村付きハンターによって命を助けられたその経験から、フレイアはハンターの真似事を始め、やがてその村付きハンターに師事して基礎を磨き、武者修行と見聞を深める目的でフリーのハンターになったらしい。

 村を飛び出たわけではなく、その村付きハンターの勧めもあってのフリーハンター業のようだ。
 つまり、その村付きハンターからしてみれば、後継者としてフレイアに経験を積ませる目的で送り出したのだろう。
 フレイアがそう言ったわけではないが、やがてはその村に村付きハンターとして戻るのが既定路線のようだ。

 フレイアが「鬼のような教官」だったという、その「隊長」で「師匠」の村付きハンターは、今のところ現役バリバリで仕事をこなしているとの事だが、将来的にその人が引退するまでが、私とフレイアが一緒に居られる期間なのだと、私は思った。
 それが何年後なのかは分からないが、それまでにちゃんとした意味で独り立ちしておかなければいけないな、と、私は内心で覚悟を決めた。




06.
 
 自分のことを話しながら、フレイアはだんだんと酔いを深めていった。
 本音を抑えきれなくなって行くのがわかる。推察した訳では無い。フレイアが自らポロポロとこぼし始めたのだ。

「おっかしいわねぇ……なんでウルズ、そんなに強いのよ……私の方が先に酔い始めるなんて……」
「……さぁ……体質かな?」
「アナタが酔っ払ったらどうなるのか、すっごい興味があったのに……」
「……うんまぁ、正直でいいんじゃないかな?」

 ロキはロキで、独り黙々と飲んでいた。会話に反応して耳を動かしているので、聞いてはいるのだろうがあまり口を突っ込んでこない。
 それはそれで酔っているのかもしれない。普段だったらもう少し会話に入ってくるはずだ。

 やがて、フレイアの顔が一目でわかるくらい赤くなり、眼がトロンとし始めた。

「わたしはねー、アナタのコト、もっと知りたいのよ」
 顔を赤らめながら、長い亜麻色の髪を指に巻きつけ、少し照れたように目を伏せ、子供っぽい口調で言う。
 見た目が美人だけあり、女の私から見てもひどく艶っぽく感じる。

 なるほど、フレイアは酔うとこんな感じになるのか。

 私は、実のところ、優越感に浸っていた。

 目的を遂げた達成感。
 それも、私を酔わせようと考えていたフレイアの裏をかいて、逆に酔わせたという勝利感。

「何笑ってるの?」
「……笑ってた? 意識はしてなかったんだけど。でも酔っ払ったフレイアはかわいいなぁと思って」
 思わず、軽口も出る。
「何よそれ……。まあいいわ。ウルズ、もっと飲みなさい」
「うん。飲んでるし、楽しんでるよ」

 実際、私もキールのグラスを重ねている。いくら薄くして貰っているとは言え、アルコールがゼロというわけではない。こちらもほろ酔い状態だ。
 それが余計に、私の精神を軽くさせ、楽しいという感情を純粋に引き出してくれる。

 こんな良い気持ちなのは久しぶり……いや、もしかしたら初めてかもしれない。

「アナタ、全然、自分の事を喋ってくれないから、つまんない……」
 なるほど、私に興味を持ったというフレイアとしては、それは当然の気持ちなのかもしれない。

 だが、私の過去なんて、語れば語るほど軽蔑されるんじゃないかと思うようなことばかりだ。
 秘密にしなければいけない訳ではないが、喋りたいわけでもないんだよ、フレイア。

「私のことなんて聞いても、きっとつまんないよ」
「それを判断するのは私よ、ウルズ。私はね、興味を持ったことはなんでも知りたいの。そもそもこの間、引っ越すって言ってたけど、どこからどこに越したのかすら教えてくれないなんて。聞きたいの我慢してたのに、話題にもしないんだから、もう」
 酔っ払うと、その我慢をしなくなるらしい。
「ああ、それは別に内緒にするつもりじゃなかったんだ。もともと私はよく引っ越す質だし、エーリヴァーガル地区からナーストレンド地区に棲み家を変えただけだったから、別に言うことの程でもないかなと……」
「……ニャ……随分と治安の悪い地区を点々としているニャ……」
 それまで黙っていたロキが呟く。声はいつもよりも暗い感じだ。普段はわりと飄々としているロキだがこちらは酔うとダウナーが入るらしい。
「ハンター居住区には入らないの? 便利よ、色々と」
「家賃がね……。とりあえず、パピメル装備のローンを払い終えるまでは、今くらいの場所に居るよ」
「……そう。まあ無理強いはしないけど……でも、女の子が一人で暮らすには物騒な場所なんでしょ?」
「と言っても、慣れてるのもあるし。ハンターナイフを差しておけば、絡んでくる人なんてそうそう居ないよ」
「ハンターナイフは差しておかなければならないのね……」
「それでもたまに絡まれるのかニャ……」
 うーん、それはそんなにおかしいことかな? 私としては、全くの無防備で出歩けるような地区の方が慣れておらず、逆に違和感を感じるが。
「とりあえず、ちょっとわかったわウルズ」
 うん?
「あなた、聞いたら意外と話してくれるのね」



07.酔ったフレイア

 そう言うと、フレイアは席を立った。
 一瞬、トイレかな? と思ったが、フレイアはそのまま私の隣に来て、座った。

 ……あれ?

 私は壁側に押しやられる。
 隣に座ったフレイアは、黄色いアンジェロのグラスを手にし、一口飲んで、私を見つめた。

 近い近い。
 顔が近いよ。

「フ……フレイア?」
「別に、嫌なことなら言わなくてもいいわ。私は全部聞きたいけど、なんか、察するだけでも色々あったみたいだし。だから私も興味を引かれたんだと思うし」
「思うって……」
「私も、なんでこんな好奇心を持つのか分からないのよ。ああ、ウルズだけの話じゃなくて。何に興味を持って、なんでそれを知りたくなるのかなんて、自分で制御しているわけじゃないの」
 言いながら、フレイアは私の頬に手のひらを当ててきた。
 柔らかな手……ではなく、結構ゴツゴツしている。まあハンターで、しかもガンランスなんて重量級武器を扱う手だった。
 だが、その手の動きは優しく……。

 ……ペタペタと……。

 私の顔を撫で回し始めた。

「え……? ちょっとフレイア?」
 私の声に、しかしフレイアは応えない。
 やけに真剣な顔つきになり、ついに両手で私の顔を押さえて来た。
「何? 何?」
「だまって」
 変な迫力があり、私は思わず口を閉ざす。

 すると、フレイアは更に身体をこちらに寄せてきた。

 待て。待て待て。

 私は思わずロキを見て、無言で助けを求める。
 その視線に気づいたロキは、ドロリと濁った眼をこちらに向けて言った。
「安心するニャ、ウルズ」
 何をだ!
「フレイアには百合の気はニャいニャ」
 私だって無いよ!
「フレイアの好みは、むしろここのマスターみたいな、渋いオヤジニャ」
 今はそれ、どうでもいいよ!

 とうとう、フレイアは顔だけではなく、髪や首、そして脇や胸の辺りまで触り始めた。
 壁際に押しやられている私は、逃げ場すら無い。

「フレイアは酔うと、興味を持ったものをペタペタ触る癖があるニャ。ウルズだけじゃなく、物でも、男性でも、アイルーでも。本当は普段そうしたいのを、酒に酔って我慢できなくなっているんだと思うニャ」

 な……な……。

 まてフレイア。それ以上、顔をくっつけるな。匂いをかぐな。

 完全に身体を押し付けられる。フレイアの二つの膨らみが、思いっきり私の胸を圧迫する。くそ、力が強い。逃げられない!

 その手は、腰から、脚から、触ってくる。ほとんど遠慮しなくなってきた。

「まあ、いいんじゃないのかニャ?」
「何が良いんだよ!」
「ウルズ、フレイアの酔っ払うところを見たかったんじゃニャいのか?」
「……!! そ……! そんなことは……」
「そのどもり方が証拠ニャ。カマかけただけだが、お前はまた、ずいぶん簡単に引っかかるニャ」
「!」
「我々アイルーの耳を舐めてはいけないニャ。アルコールを低く頼んでいたのなんて、最初から聞こえていたニャ。しかも、わざわざそれを秘密にしてほしいとまで」
「!!」
「そのくせ、酔わないのは体質のせいとか……。隠していたつもりだろうが、全部聞こえていればだいたい推測はつくニャ。まあ、フレイアもウルズを酔っ払わせようとしてたから、今日の勝負はお前の勝ちニャ」
「……まって。ごめんなさい……助けてお願い」
「ああ、ウルズ気をつけるニャ」
 これ以上何に!?
「そいつ、キス魔ニャ」
スポンサーサイト

category: モンハン小説

TB: 0    CM: 0   

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://mhblog563.blog.fc2.com/tb.php/940-aaef29a6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カウンター

プロフィール

リンク

インデックス

MHロキのツイッター

人気ブログランキング

検索フォーム

最新記事

最新コメント

RSSリンク

アクセスランキング

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも申請フォーム

QRコード