モンハンブログ 週末の笛吹き

主にMH3GとMH4、MH4Gそしてモンスターハンタークロスのプレイ日記を書いていきたいと思います。現在は「ロキ」という名前でオンラインに出没中。モンハン以外の事を書くブログ「ロキの試験的駄文」も始めました。

モンハン小説未来編 第六話 前編「ウルズ、酒を飲む」(1/3) 

先日、次回は「片手剣を使って分かった、レンキンスタイルのアレやコレ」を書く、と言ったな。

アレはウソだ。

何月何日だと思っているのだ。

などというネタはともかく。

モンハン小説未来編の「ウルズが酒を呑む話」の前編を書き終えたので投稿します。
長いので3分割で。

前半は、ウルズが自分の半生を思い出しつつ、上位を目指すという新たなステージに上がるに際して、モチベーションなどを確かめる話。
文章技術的な部分はともかくとして。
昏い情熱を行動基盤にしているウルズのひねくれ具合はよく書けた気がします。

後半は。
そのウルズがフレイアとロキ(アイルー)と一緒に飲む話。
「若い女性の飲み会とはこうであってほしい」というオッサンの妄想を全開にする構成。
とりあえず、酔っ払ったフレイアがウルズの耳を甘噛みする下りは外せません。
絶対に、絶対に。
ええ、外せませんとも。

まあ、ぶっちゃけそんな話になります。

あ。
あと、ウルズとフレイアのモデルにしたMMDモデル「デフォ子(唄音ウタ)」と「レア様」が踊る動画も、昔、作りました。
動画宣伝ついでにそれも一応、載せておきます。



ちなみに。
今回、冒頭でマインドマップを使っているのは、なんか「意識高い系」のアイテムを使った演出が欲しかったから。
フレイアとか、その先生のユヅキとかは基本的にそっち側の人。

でもまぁ。
見よう見まねで使ってみると、意外と有効だったんですよね、あれ。



00.ウルズ、休みを取る

 ウルズとフレイアには目標が出来た。

 共に、上位ハンターへの昇格を目指す。

 ハンター全体で一割も居ない上位クラス。それを目標に据えて、実績を積み上げていく。

 そのため、それまでのように漫然と受注クエストを決めるのではなく、ギルドに実績として認められ、かつ自分たちの成長に繋がるようなクエストを、計画的に受注していく事に決めた。
 ウルズとフレイア、そしてアイルーのロキでそう決めて以来。
 彼女たちは、おおまかな年間計画と、具体的な月毎の行動計画を立てて動く事にした。

 月始めのその日。
 二人と一匹はあえてクエストを受注せず、集会所である公園の屋外フードコートの一席に陣取って、その月の行動計画を立てていた。

 その日の議題は。
 季節とモンスターの出現状況、その派生として受注クエストの選択基準の確認。
 幅広いモンスターへの対策法や、未知の相手に対する立ち回りをどう学ぶか。
 ギルドにいかに実績を認めさせるかの方策。
 他のハンターとパーティを組む場合どのような人を迎えるのが理想か。
 そのような事だった。
 
 スケッチブックを中心に置き、そこにそれぞれの意見や情報などを羅列して、行動計画の具体案をまとめる。
 リーダーシップを取るフレイアは、ウルズやロキ、そして自分の提案を元に議題を決め、紙の中央にそのタイトルを描き円で囲み、そこから何本もの「枝」を伸ばし、それらに関連する「単語」を書き込んでいった。
 枝の先の「単語」からはさらに複数の枝が延び、ある時は別の「単語」と結びつけたり、あるいはまったく考えていなかった「単語」が連想され、広がっていく。
 「単語」が放射状に拡散し、紙のスペースを埋め尽くす。
 その頃には、議題に対する関連事案や、どうアクションを起こすのかといった事が、だいたい見やすくまとまっているのである。
 そうしたらページをめくり、新しい議題を立てて同じことをする。
 
 ウルズは、最初はそのノート術を奇異なものと考えていたが、しかしそうやって描かれた「連想の地図」は、慣れれば「単語」を箇条書きにするのよりも一見で理解しやすく、また新しい発想も生まれやすいと知った。

 村付きギルドガールをしていた先生からフレイアが教わったやり方なのだという。
「地図」に基づき決定していった方針や予定を手帳に書き入れながら、ウルズは「自分にはそういう事を教えてくれる先生なんていなかったな」と思っていた。

 日が傾くまでペンを片手に話し合い、そしてやっと「今月の具体的な行動計画」の確認に移った。

「ああフレイア、悪いけど、この日は私は休む」
 ウルズは、提示されているカレンダーの、月半ばの二日間を指差して言った。

「わかったわ。何か予定が?」
 ウルズ休みと書き込みながら、フレイアが聞く。
「大したことじゃないんだけど、その辺りで引っ越そうかと思って」
 ウルズはそう答えた。
「引っ越し? どこにニャ?」
 ロキが訝しげに聞く。
「うん、もうちょっと集会所の近くに住もうかと思って」




01.ウルズの引っ越し

 私、ウルズは今日、棲み家を変えた。
 と、言っても、越した先は今までとそう変わらない、治安の悪い下町の安宿である。

 今まで棲んでいた宿も、結局、そう長くは居つかなかった。
 パピメル装備を作る際の頭金を稼ぐため数ヶ月のあいだ火山に篭り、そこから帰ってずっと棲んだ宿だったが、ちょっと気分を変えたくなったのだ。

 引っ越しは嫌いではない。

 もともと着の身着のまま、ボロボロのナイフを片手にハンター業を始めた身だ。
 当然、一人ではまともな狩猟などできず、若すぎる女性ハンターという立場を利用して、同情を乞うてパーティに加えてもらっては、狩りに参加せずに支給物資を独り占めにして、自分のための採取ばかりしていた。

 そして「寄生」であるという噂……というか、事実が知れ渡る度に棲む街を変えた。
 
 引っ越しする度に、シガラミが薄まる感じがした。身の周りにまとわりついて来るモノを引っ剥がし、捨てられるような気がした。

 自分のしていたことが白眼視される行為だったのはよく知っている。
 ただ当時はあまりにも余裕がなく、他人の携帯食料を奪いでもしなければ腹を満たせられなかったし、普通の砥石を買うことすら困難だったのだ。

 今でも、あれは仕方がないことだったと思っている。

 だが、集会場で誰にも相手にされず、ヒソヒソとあることあること囁かれては後ろ指を指され、時に受付嬢から露骨に軽蔑の眼差しを向けられたり、あるいは哀れみを浮かべた表情で「故郷に帰ったほうがいい」と諭されるのは、やはり精神的に堪えた。

 そもそも、帰れと言われても困るのだ。
 どこに行けと言うのか。

 私がまだ赤ん坊の頃、モンスターの襲撃で壊滅し、地図上から名前が消えた土地だろうか。

 それとも、いやいや私を引き取り、ただ死なないように育て、挙句にとあるハンターに「弟子入り」という名目で売った底意地の悪い伯母のもとにか。

 まさか、私を買った上位ハンターの、あのクソヤロウの元に戻れと言っているわけではあるまい。
 まだ幼いと言ってよかった年代の私を、蹂躙し尽くしたあのクソヤロウの元に……。

 いや、ヤツの事を思うと、真剣に吐き気が襲ってくるので、私は考えるのをやめた。
 努力して、ヤツの事を思考から追い出す。
 かねてからそれを徹底していたおかげだろう。
 最近では、クソヤロウの顔はすでにぼやけて思い出せず、名前も記憶から抹消することに成功した。

 ただ、与えられたダメージと、骨髄に達する恨みの念が残っているのみだ。

 話がそれた。
 
 私は引っ越しが好きだ。

 元より荷物などほとんど持っていないが、それでも一つ所にある程度長く過ごせば、持ち物は増える。

 引っ越しの度に、それらは捨てる。
 特に「愛着はあるが生活に必須ではない物」は優先して捨てる。
 そうやって身軽さを確保する。それはある種の快感を伴う。

 蛇が脱皮に成功したときなど、こういう気持ちになるのではないだろうか。

 私は引っ越しが好きなのだ。

 今回棲むことにした安宿は、ハンターギルドの集会場に近い。
 
 そして、もう一つ。
 昔。
 フレイアと出会う前にしばしば通っていたある食堂にも近い。



02.モツ屋
 
 その食堂はモツ屋と言う。
 ダウンタウンの住民の中でも「下層」と呼ばれるような客層、つまりは私みたいのを相手に、本来ならば捨てられるはずのモンスターの内蔵を調理して出す。
 そんな店だ。

 元ハンターの、寡黙で大柄な店主が一人で切り盛りしており、非公式で内蔵や香味野菜の納入クエストをハンターに依頼し、仕入れている。
 私もその関係でこの店を知った。

 お陰で、客にはハンターが多い。まともなハンターはむしろ少ないが。

 ちなみに店主は片目がなく、頬の肉が大きく抉られている。
 おそらく、巨大モンスターの角か爪に抉られ、ハンターを辞めたのだろう。

 客質は悪く酔客も多いが、大柄で強面の店主がにらみを聞かせているため、店の中での揉め事は少ない。
 酔っ払いが場を乱すことは少なからずあったが、その場合は店主が、有無を言わさず叩き出してくれる。

 スネに傷持つ客ばかりのため、客同士が必要以上に交流を持つことにも、店主はいい顔をしない。友達になるよりも、喧嘩になる場合の方が多いからだ。

 客同士が話すのを止めはしないが、どちらかでも迷惑そうにすれば、睨みつけて黙らせる。

 一人で食べるのが好きな私がこの店に顔を出していたのは、そんな店主の性格のお陰もある。

 また当然であり重要な事だが、食事代は非常に安価。
 肉食獣の内蔵など、もともと食用とされずに捨てられるか、堆肥にするしかないようなものを、ただ同然で仕入れているのである。

 そして、これも当然だが、それが美味いはずもない。基本的に臭みが強すぎるのだ。

 ただし、単純にマズいのかと言えばそうではない。

 店長は、香辛料や香味野菜を大量に使い、うまくその臭みを消す。
 どちらにしても癖が強いので、決して万人向けとは言えないが、慣れるとまた食べたくなるような不思議な旨味がある。

 私にしてみれば、初めて自分の金で食べた「外食」でもある。
 普通に暮らしている人にとって、決して良い場所ではないし、良い食事とは言い難いが、それでも私にとってはある種の懐かしさがある店であり、食事なのだった。

 だが、その私にしてもフレイアと出会い、ある程度生活環境が安定してからは足が遠のいている。
 最後に行ったのは、さていつだったか。
 少なくとも、パピメル一式を作り始めた時には、既にかなりのご無沙汰をしていたはずだ。

 治安の悪い下町を歩く。
 後ろ腰には、これみよがしにハンターナイフを差している。
 そういう示威行為が必要な場所の中でも、特に下層にあるモツ屋は、正直、フレイアやロキに知られたい店ではないことなのは確かだった。



03.覚悟
 
 今回、なぜ久しぶりにモツ屋に行こうと思ったのか。
 実のところ、別にそこまで深い考えがあったわけではない。

 きっかけの一つは、少し前にモス卿と狩りに行った際、なんとなくモツ屋の事を思い出したから。
 そして最近、人並みに美味しいと言われる物を食べられていた反動か、久しぶりにあの癖の強いモツ料理を味わいたくなったのもある。
 さらに、本来はただ「集会場に近い場所」というだけで選んだ新しい棲み家が、偶然モツ屋にも近かったというのも確かだ。
 簡単な作業だったとは言え、引っ越しを終えた記念、という面も。

 つまり、何となく食べたくなったから……なのだが。

 しかし、それ以外に。
 自分でもそうハッキリと考えているわけではないが「自分の立ち位置を確かめたい」という気持ちもあるように思う。

 先日、私はフレイアと一つの約束を交わした。

 二人で上位ハンターを目指す。
 
 言葉で言うのは簡単だが、上位ハンターなど全体の一割にも満たないエリートだ。
 本来、私のような最底辺のハンターが目標にするなど、烏滸がましいにも程がある。

 幸運にも、私はフレイアという引っ張り上げてくれる手を借りることができた。お陰で、ハンターとしてもかなりマシになった。
 もちろん、昇格への努力もするつもりだ。
 だが、上位ハンターを目指すという事への現実感が、未だに無い。

 覚悟のようなモノが、まだ持てていないのだ。

 クソヤロウの元から着の身着のままで逃げ出し、寄生を繰り返して、蔑まれ、支給される携帯食料で飢えをしのいだ私だが、それでも多少の金を溜め、生きていくための基盤を何とかデッチ上げ、そして初めて「外食」をした、そんな店だ。

 上位を目指すという新しいステージに立つ自分に、あの頃を、あの頃の精神を思い出させるのも悪くはないかもしれない、と、そう思ったのだ。

 宵の口。
 満月に照らされるくすんだ町並み。

 自分の新しい棲み家と大差ない安宿から、男女の口汚く罵り合う声が聞こえ、それに刺激されて野良犬が吠える。
 ウルセーゾ! という、仲裁になっていない声が響き、何かが割れる音がする。

 昔、何度も通った道だが、雰囲気は全然かわらない。
 少しノスタルジックな気持ちになる。

 その時、肉の臭みを凝縮したような臭いが、歩く私の鼻を突いた。

 懐かしの。
 それはモツ屋の臭いだった。



04.店主

 今にも潰れそうな平屋が立ち並ぶ町並みの中、小さいが比較的立派な佇まいをしている木造の店がモツ屋だった。
 新しいわけでも、綺麗なわけでもないが、柱が太く、風雪に晒されながらも雄々しく直立する気概のようなものが感じられる店だった。

 横開きのドアを明けて、店に入る。

 昔から変わらず、店内は薄暗い。
 別に、オシャレ感を出すためではない。単に照明が少ないのだ。
 だが、その陰鬱さを感じさせる雰囲気は、この店の独特な空気によく合っていた。
 
 店の中央にコの字型のカウンターがあり、奥側に小さなテーブル席が置かれている。
 詰め込んでも15人は入れない、小さな食堂だった。

 カウンターの中に居る店主が、片方しか無い眼でこちらを睨んだ。
 凶相ゆえに、初見ならば戦慄するだろう。
 しかし、幼い頃から他人の顔色を伺わなければ生きていけなかった自分の「人の表情を読み取る能力」は、それこそ上位級だ。
 店主は少し驚き、その後、わずかに微笑んでいた。

「久しぶりだな」
 と、店主に声を掛けられた。
 普段、客とは最低限のことしか話さない人だけに、ちょっと驚いた。
「最近は、ちゃんとしたハンター業ができていて、ちょっと忙しかったので」
「そうか、それは何よりだ」
 店主はそう言って、カウンター内のコンロの前に行った。

 この店にはメニューというものがない。

 仕入れたモツを大量に調理しておいて、客が来たら出すのみなのである。
 仕入れの状況や店主の気分で、その日ごとに出されるものが違う。

 基本は大鍋での煮込み。たまに鉄板焼の時もある。

 料理の熱さにはこだわりがあるらしく、煮込みの場合は熱持ちのいい小さな土鍋で、鉄板焼の場合は熱したスキレットを皿代わりにして出してくれる。

 料理全般に共通するのは、臭み消しのための香辛料や香味野菜が大量に用いられる事。

 注文を受け付けるのは酒だけ。
 あとはたまに漬物やら肴やらがオプションとして付くこともある程度だ。

 今日は珍しく、煮物の大鍋と、焼き物用の鉄板の両方から煙が上がっていた。
 焼かれているのは、モツ系統ではなく、肉らしい。

 この店で、肉が出るのは割とレア。

 いい日に当たったようだ。
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category: モンハン小説

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