モンハンブログ 週末の笛吹き

主にMH3GとMH4、MH4Gそしてモンスターハンタークロスのプレイ日記を書いていきたいと思います。現在は「ロキ」という名前でオンラインに出没中。モンハン以外の事を書くブログ「ロキの試験的駄文」も始めました。

モンハン小説『週末の笛吹き』 第六話 その5 男たちの対話 

密猟者フェンリル、黒いリオレイア、それらの騒動の後始末。

今回で終わらせるつもりが、本当の日常に戻るにはもう一章必要になりました。
次の話で、第六話も終結します。

どうでもいいのですが、自分の中でのキャラクタの年齢設定など。


○人間たち
ヘイムダル:40代前半から中盤。村に来た頃はギリギリ30代くらい? どうでもいいけど、椿三十郎のイメージが少しあります。

ユヅキ:20そこそこ。モデルの「結月ゆかり」は設定年齢18歳ですが、そこまで若いとちょっと話に無理が出てくるので……。

ロリフレイア:10歳位。第6話の最後に出てきます(未来編では20前くらい。現時点でのウルズは7~8歳)。
 幼い頃、命の危機から脱した直後にヘイムダルさんの拳骨を食らったため、年上好きのMっ気がある性格に育っていったりします。本人も自覚はしていませんが……。

村長(顔に傷のある竜人族の女性):数百歳(人間年齢で30そこそこ)。村長は今のところ殆ど出てきていませんが、話としては結構な重要人物だったりします。

ヘル:23~4 若いように思えるかもしれませんが、ロリフレイアよりも幼い頃からギルドナイトとして育てられており、職歴は長い。その分、心の傷も深い。

ガルルガ:18~9 ヘイムダルと集会所で話していた頃は、日本で言うところの中学生くらいでした。その年代に錆びたナイフでドスジャギィを狩っている……けど、それはギルドナイト見習いとして就任するのに説得力を持たせるためのエピソードだったりします。
 あ、関係ないけど、未来編のモス卿は30前くらい。



○アイルー達(アイルーたちの寿命や年齢的な設定がわからないので、あくまで「人間に直せば」という年齢)。

ロキ:15~6歳。11匹のアイルーたちの中ではもっとも若い。ちなみにテュールの負傷に狼狽えているのにはちょっとした理由があります。未来編では25~6。フレイアに対しては先輩で兄貴分という立場を取ります。

テュール:21~2。ロキよりはおn……年上です。

ソグン:30前後。ロキが兄貴と慕う無口な黒猫で、ハールバルズ(渡し守:第一話に登場)を除くと11匹の中での最年長。ここまでは目立っていないけど、番外編「11匹のアイルー」ではロキと並ぶ主役の一匹。

カーラ:20前後。後にテュールとは親友と呼べる間柄になる女の子。ただし、性格は破滅的な快楽主義者。実のところドM。ロキよりはお姉さんです。



物欲大社へお賽銭をあげる ミ⑤





01.
 
 森の中の夜。
 先程までの激しい戦闘と混乱が収まり、止んでいた虫の音が再び響き始めた。

 濃い血の匂い。
 地面に横たわっている傷ついた黒いリオレイアと、首と胴が離れた小さな金のリオレイアの遺骸の前で、すすり泣くような声を上げているフェンリルを見下しながら、ヘイムダルはヘルに対して言った。
「それで俺たちはどうすればいい? こいつを連れ帰って事務所の倉庫にでも放り込んでおくか?」
「いや、その必要は無いの。そのうち、ギルド法務部執行課お抱えの隠密部隊が来るじゃろう。こういう場合の物理的な後処理はヤツらの仕事じゃ」
「……お前たちが後始末をするんじゃないのか?」
「我々ギルドナイトは、ギルドの秩序を乱すものを実力で排除するのが仕事。そのための情報集めや移動手段の手配と言ったお膳立てや、殺った後の処理はそれぞれ専門家がおる。……執行課の隠密部隊は闇夜のナルガクルガのような奴らじゃ。もしかしたら、今も木々の影から、こちらを伺っておるかもしれん」
 微笑みながら言うヘルに、ヘイムダルは改めて嫌悪感を持った。
「そこですすり泣いている汚物を連れて行くのも、そいつらの仕事じゃ」
 ヘルの返答にヘイムダルはあえて仏頂面をして、しかし深くは突っ込まずに頷いた。
 そして、ガルルガから渡された黒いハンターナイフを持ったままへたり込んでいるテュールを背負うと、「ならばとにかく、一度ベースキャンプに戻るぞ」とその場にいる全員に促した。

 ベースキャンプにはロキが待機しており、戻ってきたヘイムダルたちを迎え入れた。

 ロキは、まずテュールの怪我を見て、普段のふてぶてしい態度からは想像できないほど慌て始めた。
「た……! 隊長! テュールさんは……大丈夫ニャんですか!?」
「意識ははっきりしている。カーラにエイルを連れてくるよう言ってあるんだが……」
「それはさっき、こっちに戻ってきたカーラに聞きましたニャ。エイルはそれ以前にここに来ていて、テュールさんの暴走を止めるようにという命令を伝達して行ってしまっていて……カーラはそれを追っていきましたニャ。脚はカーラの方が早いから、近いうちに戻ってくるはずですニャ!」
「ならばいい。応急手当はしたが、今は医療に詳しいエイルの到着を待つことしかできん」
「オレ……自分が、テュールさんに何か出来ることはありませんかニャ!?」
 狼狽しながら食い下がってくるロキの必死さを、ヘイムダルは少しだけ訝しく思った。
 現地で雇った11匹のアイルーたちとテュールの間には、さほど強い繋がりはなかった。テュールが自分からコミュニケーションを取って来なかったせいだが……。
 それでも、やはり同じ村付きハンターを補助する仲間だし、ヘイムダルが思っていた以上に、アイルーたちの仲間意識というものは強く広いものなのかもしれない。
「では、まずは身体を温めるための火を焚いてくれ」
 ヘイムダルは、ロキに指示した。
「イエス! ニャー!」
 反射的に敬礼をし、身を翻して竈に薪をくべ始めたロキを見ながら、ヘイムダルは背中で大人しくしていたテュールを降ろした。

 その心を縛っていたフェンリルを捕まえ、テュールも喋ることが出来るようになったようだ。

 オトモを続けるのであれば、この村を終の住処とする覚悟をしてもらわなければならない。
 そのためには、今までとは違い、現地出身の仲間たちとも触れ合っていかなければなるまい。
 テュールの新しい日常は、そうした生活の先にあるのだ。

 傷を負ったテュールの心が、すぐに回復するわけではない。
 だが。
 テュールのために甲斐甲斐しく働いているロキを見ながら、ヘイムダルは思った。

 アイルーたちが仲良くなるということは、それほど難しいことではないのかもしれない、と。



02.

「美しい光景じゃの」
 テュールを介抱するロキを見ながら、ヘルは言った。

 煌々と燃える焚き火の光りが、その美しい銀髪を揺らめきながら照らし出している。

 本心なのかどうかは分からないが、こいつの態度ではどうしても皮肉を言っているとしか思えないな、と、ヘイムダルは口には出さずに考えた。

 テュールは、ぐったりとはしているが意識はあるし、ロキに包帯を巻かせてしまえば、あとは本当に何も出来ることがなくなった。

「おい」
 フェンリル捕縛という用事は終わったはずだが、なぜかその場から離れようとしない若い男女のギルドナイトに対して、ヘイムダルは言った。
「ちょっと花を摘んでくる」
 呼ばれて振り向いたヘルが、呆れ返ったような表情をする。
「夜の森は、暗くて怖い。そこの……ガルルガ。ちょっと付き合え」
 全く予想外の「お願い」をされ、さしものギルドナイト見習いもさすがに狼狽したのだろう。彼は無言でヘルの顔を伺った。
 ヘルも毒気を抜かれたのか、苦笑しながら手をヒラヒラさせて、行ってこいとジェスチャーで示す。
 それを受け、男二人は無言のまま、焚き火の光が届く範囲の外に歩いていった。

 星と月の光だけに照らされた藪の前まで来て立ち止まると、ヘイムダルは宣告どおりに前を開けて、立ち小便を始めた。
 ガルルガも少し離れたところに立って、それに習う。 
 二つの水音が静かな夜の空気の中に響いた。
 月明かりの下で放出される水流に視線を集中させながら、ヘイムダルは言った。
「久しぶりだな」
 ガルルガはいささかも慌てること無く、答える。
「やっぱりバレてましたか」
「……確信は無かった……カマをかけただけだ、バカめ」

 しばらくして、二人は無言のまま立ち小便を終え、衣服を整えた。

 出すものを出して落ち着くと、ヘイムダルはガルルガの方を見ずに言った。
「もしも、テュールがフェンリルを殺していたら……どうするつもりだった?」
「……その場合は、ギルドナイト専属のオトモをスカウトするという形で、連れて行くつもりでした」
 ガルルガも、被り物は取らずに答えた。
「相手が犯罪者であっても、人間を殺したアイルーは秩序を乱すものと認定されます。自分はともかく、ヘル様はそれを容認することができません。しかし、ギルドナイト専属のオトモアイルーであれば、それは法と秩序の範囲内となります」
「だがテュールは殺さなかったぞ。どうする?」
「自分が、ただあのコの前から消えるだけです」
「テュールはお前を失って、悲しみのあまり言葉と毛の色を亡くしたんだがな」
「……それでも、自分がギルドナイトとしての道を進み始めた以上、あのコを連れて行くわけにはいきません。テュールの性格に、この仕事は過酷すぎますから」



03.

「もしもテュールが、自分と過ごした過去の人生にしか価値を認めていなければ、あのコは本当にフェンリルを殺していたのではないかと思います。しかし、あのコは殺さなかった。今の生活……ヘイムダルさんが与えてくれた日常に価値を見つけ、その先にある未来を望んでくれたんです」
 ガルルガの言葉に、ヘイムダルは無言で頷いた。
「それならば、ますます自分の感情であのコをこの道に引きずり込むわけにはいかない。連れて行くことが出来ない以上、自分の生存も伝えることは出来ません」

 ガルルガの声が、少し熱を帯びる。
 ギルドナイトとしての声ではない。かつてヘイムダルと集会所で話していた頃の声になっている。

「ボクが生きていると知れば、あのコはまた迷うだろうし、そのせいで道を誤るかもしれない」
「貴様にとって、テュールは過去のものになったと?」
「そんなことはない! ……自分にとってのオトモは、今なお、あのコのみです。ボクも会いたい。話がしたい。しかしその程度の感傷で、不幸せな道に連れ込むことなんてできない」
「仕事で、オトモが必要になることもあるんじゃないのか?」
「そうなったとしても、ボクは二度とアイルーを連れて行くことはないでしょう。……そう……オトモなんてむしろ意思疎通など出来ない存在の方がいい。そうだな……うん……モスなんかがいい。教え込めば荷物持ちくらいは出来るだろうし。見た目にもかわいいし」
「(……かわいい……?)……お前はまだ見習いなんだろう? あのクソ女から離れて、普通のハンターに戻り、それでテュールを連れて行くことは出来ないのか?」
「……それは色々と規約があって難しい……けど、不可能ではないです」
「じゃあ……」
「しかし……」
「しかし……なんだ?」
「ボクはあの人の側を離れるつもりはありません。あの人……ヘル様は、悲しい人だから」
 ガルルガの言葉に、ヘイムダルは首を傾げた。
「あの人は、幼い頃にハンターとしての才能を見出されました。そして、それを知ったギルド法務部のお偉方は、最初から彼女をギルドナイトとして育てた」
「幼い頃から人殺しか」
「……彼女は、自分の技能や、秩序を護るということに強い誇りを持っています。それはもう、偏執的な程に。……なぜだかわかりますか?」
「……さあな」
「彼女の肉体的な能力は、ギルドナイトとして最高のものがあります。しかし精神は、本来ギルドナイトとして働くには優しすぎ、脆いんです。どんな大義名分があっても、人を殺すということは彼女にとっては大きな精神的負荷となる」

 ヘイムダルは、ガルルガの言葉を聞き、思った。

 軍でもそういう兵は少なからず存在した。
 それは兵士としての優秀さとは別の、心の性質と言っていい。
 そういう兵は優秀であっても……いや、優秀であればあるほど敵を殺す機会が増え、精神が人殺しに耐えきれなくなっていくのだ。そういう性質の持ち主は、現役時代にはまだ大丈夫でも、退役した後、大きな心の傷に苦しむことになる。
 時に社会生活が不可能になるほど、その心は損なわれてしまう。

 逆に、軍の必要性として求められる「職業としての殺人」に対して、ストレスがかかりにくい人種も存在する。
 オレは後者だったし、あるいはこいつも同類なのかもしれない。

 しかしなるほど、そのタイプでギルドナイトを幼いころから続けざるを得なかったというのは、悲しい人間と言えるかもしれない。

 無言でいるヘイムダルに、ガルルガは続けた。
「だから彼女は、自分の技能に誇りを持たなければならなかったし、秩序を乱す存在を許すことが出来ません。秩序を乱す存在が絶対的な悪でなければ、そして自分の能力がその悪を葬るのに必要なものだと固く信じていなければ、彼女は自分の存在意義を見失う」
 ガルルガは、ため息をつく。
「“自分の居る側が正義である”ということに疑いを持てば最後、彼女は幼い頃から殺し続けてきた……いや、殺させられ続けてきた“秩序を乱す者たち”の亡霊に取り憑かれ、正気をも失うでしょう。あの偽悪的な態度も、彼女が無意識で精神の釣り合いを取るために行っている行為にほかなりません」




04.

「あの日、ボクはフェンリルに騙されて、リオレイアの卵を盗み出そうとし、焼き殺されかけました」

 ガルルガは、まるで独り言のように喋り続けた。

 テュールが病気になって。
 ボクはそれを治すための薬を買う金もなかった。
 そんな状況を、フェンリルに嗅ぎつけられて。
 リオレイアの卵を盗み出せば、伝手を使って高く売ってやると言われて。

 罠だってのは、ある程度はわかっていました。
 もし仮に盗み出すのに成功しても、フェンリルが卵を持ち逃げする可能性も。
 でも、自分がしっかりと対処していれば、薬代くらいは得られるかもしれない。そう思った。
 甘かったんです。言い訳をすれば、幼かった。
 結局、フェンリルの持ち逃げを警戒するどころか、リオレイアの卵を盗み出す時点で失敗して。

 その時、密猟の情報を得てそこに居合わせていた彼女に命を救われたんです。
 彼女は、彼女にしては珍しく、任務とは別の状況……つまりボクを助けるということを優先した。
 
 その後、彼女はギルドに掛け合って、ボクをギルドナイト見習いという立場に付け、教育の名目で側に置いた。

 最初の時点で、何を気に入られたのかは自分でもわかりません。

 でも、今思えば。
 ボクが初めてテュールと出会った時と同じ気持ち……二人して餓え死にしそうな状況の中で残飯を分け与えたのと同じ気持ちだったんじゃないかと思うんです。

 もちろん、テュールのことはずっと気になっていました。
 忘れたことなんかない。

 あのコが居なければ、ボクはヘイムダルさんに会う前に、荒んだ生活に耐えきれずフェンリルと同じような道に入り、今頃はギルドナイトに追われる生活をしていたかもしれない。
 あのコが居たからこそ、ボクは道を踏み外さず歩くことが出来た。
 だから、テュールには感謝しきれないほど感謝しているんです。

 しかしそれでも。
 今のボクはヘル様の側を離れるつもりはありません。

 なぜだ? と、ヘイムダルが聞く。

「一つは、ボクが側に居なければ、あの人の精神は崩れていってしまうから。ボクが悪い道に逸れてしまいそうな時、テュールの存在がいつも引き戻してくれました。ヘル様にも、ボクにとってのテュールのような存在が必要なんです」

 ……もう一つの理由は?

 ヒュミルは、問いかけるヘイムダルの眼を真っ直ぐに見て答えた。

「もう一つは、ボクがあの人を愛しているからです」
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category: モンハン小説

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