モンハンブログ 週末の笛吹き

主にMH3GとMH4、MH4Gそしてモンスターハンタークロスのプレイ日記を書いていきたいと思います。現在は「ロキ」という名前でオンラインに出没中。モンハン以外の事を書くブログ「ロキの試験的駄文」も始めました。

モンハン小説 第五話 『ブラックウィドウ』 その2(書き直し)  

さてさて。
モンハン小説第五話、そのニです。
ここまでは以前にも書いていたので(その一に関しては動画にすらしていた)、ここまでが「書き直しになります」。

今回の話とはあまり関係ありませんが、ヘイムダル氏の持つ「ギャラルホルン」の固有旋律に「終末ノ旋律」という名前をつけ、ギルドに報告と登録を行ったのはユヅキです。
ヘイムダル氏は、「高周波のすごい版」くらいにしか考えていなかった旋律だったのですが、ユヅキの報告により「終末ノ旋律」が正式名称になってしまいました。

ギルドへの報告の際にクエスト名などを自分で付けなければいけないし、何より固有名詞があると報告書の作製が楽ということもあって、ユヅキはこういうセンスの命名癖を持つようになりました。ちなみに前回の対ジャギィ防衛戦に関しては「月下蒼盾」というクエスト名をつけていたりします。

ブラックウィドウというのも……。
……いやまあそれは話の後半に。


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01.ヘイムダルの昔語り

 ヒュミルは孤児だった。
 特に珍しい訳じゃない。山奥の村がモンスターに襲われ、両親が犠牲になった。そんなありふれた経緯で孤児になった少年だった。歳は……そう嬢ちゃんより少しだけ下くらい。何処をどう流れてきたものか、奴は幼くしてハンターとして登録していた。
 これだってそこまで珍しい事じゃない。なんせハンターギルドは来るもの拒まず。とりあえず武器だけ持っていれば、どんな奴でも登録は出来る。ハンターの登録数がギルドの勢力に直結するとはいえ、あれはどうかとオレは思うね。まぁ嬢ちゃんに言ってもどうしようもないことだが。

 ヒュミルは、どこで手に入れたのかもわからないボロボロのハンターナイフだけを持って狩場に行く最底辺のハンターだった。
 これが同じくらいの年の女の子だったなら、好奇心か哀れみか、あるいは下心から一緒に連れて行くハンターも居ただろうが、なんせヒョロっと背の高い、しかもボロをまとった男の子だ。集会所に屯しているハンターは誰も相手にしなかった。
 ハンターの基礎を習うことも出来ず、奴は一人で狩場に行っていた。

 嬢ちゃんも、短い期間とはいえ街のほうで受付嬢をやっていた経験があるんだろう? 居なかったか、そういうハンター。
 ……覚えがある? まぁそうだろう。どこにでもそういう食い詰め者は居るもんだ。特にこういう時代だとな。
 ギルドガールからしてみれば、さっさと諦めて故郷に帰ればいいのにと思われるような輩が……いや、これは偏見かもしれんが、まぁギルドガールってのは基本的に良いとこの出の、しかも出来の良い娘が多い。
 帰る場所すら無いってのは、知識としては知っていても心の底から理解は出来ないものじゃないだろうか?

 ちょっと話が逸れたな。
 ヒュミルとテュールが出会ったのは、オレがヒュミルを知るのよりも前で、聞いた話では、餓死しかけていた子猫のテュールにヒュミルが食い物を分け与えたのが始めだったようだ。
 当然、ヒュミルも食い物が余っていたわけじゃない。自分も腹を鳴らしながらテュールに分けたようなんだ。もっとも、食い物といっても、食堂の裏口でまだ腐っていないってだけの残飯を漁って得たものだったそうだが。
 そう。
 ああいうボロをまとって残飯を漁るような生活を、それも子供の頃からせざるを得ない人間ってのは、普通まっとうには育たない。
 差別するわけじゃないぞ。しかし状況が人を作るのも確かなんだ。大人でも一人でそんな生活をしていたら、他人に何か分け与える余裕など無くなって、いかに他人から奪うか、そればかりを考えるようになる。
 それでますます疎外され、不満を溜め込んで怒りを飲み込んで、結局進むは暗い道ってのが当たり前なんだ。

 ……ああそうだ。嬢ちゃんの言うとおり、それが養子として奴を引き取ろうとした第一の理由だ。
 奴は、そんな状況にあってなお、素直で優しい性格をしていた。
 テュールが心酔して、その後オトモアイルーとして奴の側に寄り添ったのも同じ理由だろう。
 オレが奴と知り合ったのは、ハンター養成所で座学を一通り終えて実践形式の演習に入った頃だった。
 伝手と実績を作ろうとして集会所に出入りしていてな。その時に知り合った。



02.ヒュミル

 ……なんでオレはヒュミルの相手をしたのかって? まぁ確かに、他のハンターは誰もアイツを見てすらいなかった。オレもずっとハンターをやっていたら、おそらくは同じだっただろう。
 はっきり言って自分の人生を考えるならばそれが正解でもある。変な手合とわざわざ知り合う必要なんて無いからな。
 だが、知っての通り、オレは普通のハンターと出自が違う。
 軍隊上がりだ。
 軍隊ってのは、これもまた食い詰め者の終着点みたいな部分があってな。士官学校出の制服組はもちろん違うが、下っ端の兵隊にはヒュミルみたいな生い立ちのヤツも多かったんだ。
 オレもそうだった。

 しかもオレは、そういう若いのをしごいて鍛えあげるのも役目の一つだった。国境警備隊ってのは練度が高くなければ務まらないから、とにかく部下たちを鍛えあげる必要があったんだ。こう見えて、けっこうな鬼教官だったんだぞ。
 ……ん? アイルー達の様子を見ていれば分かるって? そうか? 
 まぁそれはそれとして、だ。
 まずオレは、ハンターにもああいう存在が居るということを知らなかったし、どのように扱われているのかも当然知らなかった。だから他のハンターが持っているような忌避感がなかった。
 そして、そういう若いのを多く見てきた経験から、奴は稀有な存在だとすぐに解った。とにかくびっくりするくらい歪んだところがなかった。

 さらに。
 ついでにもう一つ。
 奴にはハンターの才能があった。
 ヒュミルの実績なんぞ、他の誰も見ていなかったがな。
 ヒュミルは、 ドスジャギィを狩ったことがある。
 ……それ位、ある程度の修練を積めば普通だろうと思ったろ?
 だがな、ハンターとしての基礎もなく、まだ十代も前半くらいの歳。しかもボロボロのハンターナイフ一本で、奴はやった。
 研いでも切れ味は真っ赤でジャギィの鱗にすら弾かれるような片手剣で、それを成し遂げたんだ。
 嬢ちゃんなら、それがどういう事かわかるはずだ。
 オレも驚いた。

 ヒュミル自身はそれを言っては来なくてな。あの時は、そう、テュールが嬉しそうにオレに話してくれたんだ。
 本当に嬉しそうで、誇らしげだったなあの時のアイツは。
 それで、オレは自分が一人前のハンターとなったらヒュミルを養子として迎えようと思ったんだ。

 ……ん? ああ、そうだよ嬢ちゃん。テュールは別に生まれつき喋れなかったわけじゃない。それにアイツの毛皮は、今は白っぽいが元は黒だ。
 周りとつるまずにツンとしているが、あの頃のテュールはむしろ明るい性格だった。
 ……意外? まぁ今のテュールしか見ていないとそうだろうな。
 ヒュミルとの別れが、テュールを全く違ったアイルーに変えちまったのさ。




03.密猟者

 あの頃のあいつらは、狩場近くの廃墟群に住んでいた。ねぐらにしている正確な場所はオレもよくは知らなかった。招かれたことはないし、人を呼べる場所ではないとヒュミルは言っていた。
 とにかく悪いことが重なった。
 まずオレは、ハンター養成所の演習で長期遠征に行っていた。
 その状況で、テュールが病に冒された。
 なんて言ったか、若いアイルーがよくかかる……そうそう、その病気だ嬢ちゃん。
 栄養を取って安静にしていればそれほど怖いものではないが、そんな余裕があいつらにはなかった。栄養不足と疲労のせいもあって、劇症化したんだ。
 ヒュミルは、とにかく緊急で金が必要になった。テュールを医者に見せて薬を買うだけの金が。

 時期も悪かった。
 リオス種の産卵期だった。分かるだろう。密猟者がもっとも活発になる時期だ。
 困っている食い詰め者に声をかけるのなんて、オレみたいな変わり者か、でなければ使い捨てのハンターを探している悪人か、だ。
 それは奴も分かっていた。
 それでも。
 奴はその誘いを受けた。受けざるを得なかったんだ。

 オレが帰ってきた時、集会所にヒュミルは居なかった。
 奴の事を気にかけているようなハンターもなかったが、それでも密猟者らしい輩と話しているのを見たという事を教えてくれる程度に親切なのが居た。
 オレはまず、奴の住んでいたという廃墟を虱潰しに探した。
 そこで、病気で死にかけているテュールを見つけた。
 そっちは医者に任せて、今度はリオス種の産卵場所を、採取クエストの体裁を取って巡った。
 そんな中で、焼け焦げたボロボロのハンターナイフを見つけたんだ。
 何が起こったのか、完全には確認出来なかったが、密猟者は見事、ヤツを使い捨てたんだろう。



04.テュールの決意

 ……テュールはどうしたのかって?
 病気から回復した後、オレは調べたことを全部話した。
 予感はあったんだろう。アイツは泣きもわめきもしなかった。
 しかし、次の朝には黒かった毛皮が真っ白になって、ついでに言葉も話せなくなっていた。
 そんな状態のテュールを野良オトモにするわけにも行かなかったし、何よりもオレが養子として引き取ろうと思った男の忘れ形見みたいなものだ。テュールに無理やり了解させて、オレはアイツを専属のオトモとして登録した。

 病状が落ち着いてからすぐ、アイツは行動を始めた。
 まず、ヒュミルのハンターナイフの残欠を、自分の手に合うほどの大きさにまで研ぎ直した。今、アイツが持っている剣鉈がそれだ。
 そしてどこから手に入れたのか、その剣鉈に長い紐を取り付けた。リオレイアの体毛やらアオアシラの腱やらを編んで、鳥竜の唾液とバサルモスの体液、ガノトトスの胃液を塗り込んで強化したやつだ。
 初めて見た時、風変わりな武器を使っていると思っただろう? テュールはあの武器を自ら作り上げて、使い方を徹底的に練習し始めた。普段はくくった紐を柄に飾りみたいに付けただけの剣鉈として使っているが、アイツが練習したのはむしろ紐の扱い方だ。
 先についた分銅を投擲して、紐を操る。その練習を、アイツは一日たりとも欠かしたことがない。
 ……なんでわざわざそんな武器を使うのかって? テュール自身に確かめたことはオレもないが、大体わかっている。
 テュールが練習しているのは狩猟術というよりも捕縛術なんだ。

 ……そうだな。オレがここに来た理由は、嬢ちゃんが一番良く知っているだろう。
 もともと、村長がギルドに村付きハンターの派遣要請をして、その必要性を二年間にわたって嬢ちゃんが調べた。
 その結果として、ちょうどハンター養成所を卒業したばかりのオレの派遣が決まったんだからな。

 そう、オレが派遣された理由は、まず第一にモンスターなどの脅威からの村の防衛。そして村周辺の生態系の調査。
 さらに、暗躍する密猟者への牽制、だ。
 ハンターの居ない狩り場は、密猟者に荒らされるのが常だ。実際、ガルガリ大森林にも、嬢ちゃんが調べた範囲で密漁の跡があったんだろう?
 ……嬢ちゃんの考えている通り。
 今のアイツならば、そんじょそこらのハンターくらい紐でグルグル巻きにするのはそう難しいことじゃない。

 ちなみに、ヒュミルを使い捨てた密猟者の名前は後に判明した。
 フェンリルという元ハンターだ。
 何年も前から密漁を繰り返し、ハンターとしては除名されて、今ではギルドが賞金をかけて追いかけているお尋ね者だ。
 ヤツは一度現れた狩り場には二度とは来ない。そして、ガルガリ大森林にフェンリルが現れたという記録はない。
 ヤツがこの森に来るかどうかなんて分からない。いや、現れない可能性のほうがずっと高い。
 それでもテュールは、その低い可能性にかけて、オレに付いてきたんだ。



05.闇に光る眼

トハイエ、テュールモイゼンニクラベレバダイブマルクナッタ。ウラミヲワスレロナンテイウツモリハナイガ、オレトシテハフツウノシアワセヲミツケテクレタホウガ、ヒュミルモヨロコブンジャナイカトハオモウンダガナ……
 
 暗くなり始めた森の中に、光る6つの青い目がある。「彼女」は闇の中に潜み、ジッと二人の「会話」を聞いていた。
 
 以前食い散らかした紫の鳥竜種の群れも、よく声を使って意思疎通をしていた。
 だが、この見たことのない二匹の獣は、あんなものではない、ずっと複雑なやり取りを声を使ってしているようだ。さすがに内容までは理解できない。
 それにしても、「私」と同じように何か布状のものを着込んでいるが、それを剥いてしまえば鱗も毛もない柔らかそうな身体をしている。
 美味そうだ。
 巣に誘い込むことも考えたが、やはりもっと暗くなってから奇襲しよう。
 まずは。
 群れから離れて見張りをしているあのネコを殺しておこう。
 「会話」をしている二匹と違って、あのネコは同じ種を森の中で見たことがある。小さすぎて食べ甲斐がなく、毛皮があって食べにくく、味もまずい。
 あれはいらない。
 
 「彼女」は音もなくその場を離れていった。
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