モンハンブログ 週末の笛吹き

主にMH3GとMH4、MH4Gそしてモンスターハンタークロスのプレイ日記を書いていきたいと思います。現在は「ロキ」という名前でオンラインに出没中。モンハン以外の事を書くブログ「ロキの試験的駄文」も始めました。

ボッチハンターが初めてフレンド申請をするまで 

『モンハン小説 週末の笛吹き 未来編』
「ボッチハンターが初めてフレンド申請をするまで」

ヘイムダル氏の教え子、ガルガリの滝の村のクソガキ「フレイア」とその相方の話。
主人公は相方の方になります。

一応、四章分のうちの第一章のつもり。

二人の話のモヤモヤしたものは頭にあったのだけど、なぜかここ数日、頭のなかで突然形になり始めたので書いてみました。

主人公の方は「だいたいこんなキャラ」というのがあったのですが、フレイアの方は「好奇心を満たすためなら死んでもいいけど死んだら好奇心を満たせないから絶対に死んでなるものか」という要素以外はかなり見切り発車で書き始めました。

書きながらキャラクタができていった感じ。いつの間にか「超然とした態度の不思議ちゃん」に。
フレイアのオトモアイルーであるロキは、フレイアがどういうキャラか解説する役に。

二人の見た目なども、書き始めた時にはほぼ定まっておらず。
先に作った動画の影響で、フレイアは「レア様」。相方は「デフォ子」のような見た目という設定になっていきました。
自分の場合、世界観やストーリー上の役割が先にあって、そこからキャラが出来ていく感じが多いのかなと思いました。
先にキャラがあって、それがストーリー上の役割を担ったり創ったりしていくことも多いですが(どっちやねん)。

なんにしても。
書いていくと形が整っていく感覚があります。
自分の場合は大体こんな感じです。

まぁそんなことはともかく。

7,413字と長くなってしまったので。
例のごとく、本文は折りたたんだ先に。

また、今回は動画にするつもりはありません。

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1.走馬灯
 さて。どこから思い出したらいいものか。まぁここは最初の最初。生まれた時の話しからだろう。
 私の生まれはとある山裾にある寒村で、そこは金が無いため村付きハンターを置くことすら出来ないような辺鄙な集落だったらしい。
 どのような場所だったのか、記憶はない。村の名前も、聞いたことはあるはずだが思い出せない。
 私がまだ赤ん坊の頃、その村はモンスターの襲撃のために壊滅してしまった。
 私はその村のただ一人の生き残りだった。
 雷光虫が美しく舞う夜。雷に焼け焦げたような跡を残して消滅した集落で、私は一人、モンスターの糞にまみれて泣いていたらしい。その糞が、おそらくはモンスターを退かせたのだろうと、後になって聞いた。
 こうして、記憶すら定まらないような幼少期に、私は孤独の身となった。
 その私を育てたのは、母の姉である伯母だった。
 伯母の家は、私の生まれた村より少しだけ都会の方にある、とは言えこれもまた貧しい村だった。そこに住む人達は、その日その日を暮らすのが精一杯で、みんな余裕がなかった。
 伯母もそんな中の一人だった。
 とにかく底意地の悪い性格で、私の母や祖父母との折り合いが悪く、そのため生家を出てその村へと移り住んだらしい。あの伯母と仲が良くなかったとなると、顔も知らない我が両親や祖父母はまともで優しい人たちだったのかもしれない。
 伯母はとにかく私を嫌った。
 自分の子供達と明らかな差別をし、糞まみれで見つかった私のことを「糞かぶり」と呼んでいた。そうとしか呼ばなかった。
 名前で呼ばれた記憶が、私には無かった。
 それでも、私が物心つくまでは、死なないようにはしてくれた。
 私が思春期に入りかけた頃、伯母は私を売った。
 いや、形式としては、とあるハンターへと弟子入りさせたのだが。
 が、あれは売ったのだろう。伯母にはそれなりの金を渡したと、私を買ったハンターは言っていた。
 そいつは中年の男性で、掛け値なしの糞野郎だった。各地を放浪するフリーのハンターで、知り合いには私を弟子として仕込んでいると紹介していたが、目的は若い……いや、まだ幼いと言っていい私の身体だった。
 こんな私でも、それでも大切にしたかった事を、この男はことごとく私から奪っていった。私はハンターの初歩の初歩の技術を盗むように学び、逃げ出した。
 ボロボロの。
 ほとんど着の身着のままで。
 私はハンターギルドにフリーのハンターとして登録をし、地方の集会所に出入りするようになった。
 最初の装備は片手剣。防具はただの布の服だった。
 別に片手剣が使いたかったわけではない。糞野郎のもとを逃げ出すときに盗んだ金で、なんとか買えたのが中古の錆びたハンターナイフだけだったのだ。
 そんな装備でも、ハンターとして登録は出来る。集会所の受付嬢からは露骨な哀れみの目で見られたし、悪いことは言わないから故郷に帰りなさいとも諭された。
 帰れるものならば帰っている。
 ともかく。
 私ほど若い女性ハンターは珍しい。
 最初の頃は、そんな物珍しさもあって、狩りへと誘ってくれるフリーのハンターは少なからず居た。
 男性の時もあったし、年上の女性の時もあった。数人のパーティの時もあった。
 私は毎回、支給品の砥石も携帯食料もすべて確保した。
 仕方があるまい。
 買った時からボロボロだったハンターナイフは、ちょっと使っただけでジャギィの鱗にすら弾かれるようになり、そして私は普通の砥石を買う金もなかったのだ。
 いつも腹を空かせており、狩猟に出た時にスタミナなど残っていなかった。携帯食料で食い繋いでいたようなものだ。
 モンスターの狩猟であっても、私はまず採取をした。キノコから、草花から、鉱石から、魚から、虫まで。まずは採れるだけ採って、それから狩猟に参加した。
 だいたい私が狩猟に参加する頃にはモンスターはもう狩り終わっており、剥ぎ取りだけさせてもらことが多かった。
 私を二度連れて行ってくれるようなハンターは皆無だった。
 私は寄生と呼ばれ、時にゆうたというスラングで呼ばれた。前者はわかるが、後者は未だに意味がわからん。
 噂はすぐに広まり、私を連れて行くハンターはいなくなる。
 そうしたら、私は別の地方へと渡って、新しい集会所で同じことをした。
 ハンターとしての登録情報を書き換えたり、クスリや手術で改造された悪魔の様な力を持つアイルーを雇ったりはできなかった。それをやるためには、金やコネや道具が必要で、その全てを私は持っていなかったからだ。もし出来るようならばためらいなくやっていただろう。
 ちなみにそれらを実行したハンターが一人いた。集会所で私よりも嫌われているという稀有な人材だったが、ある日突然姿を消した。
 ギルドナイトにやられたのだろうと、周りでは噂されていた。
 そうこうしているうちに、私の情報は各地に広まった。
 どこの地方へいっても、私をパーティに入れるようなハンターはいなくなった。
 しかし、ここまでの寄生行為で、金には多少の余裕ができていた。
 採取した素材や、わずかながらに得たモンスターの素材。それらを売り払ってそこそこの金を持つことが出来た。
 ハンターとしてのスキルも多少だがアップし、武器も少しだけ良い物にした。購入したハンターカリンガは、この後、わりと長く使うことになる。ちなみに防具は布の服のままだった。
 この時点でハンターを辞めるという選択肢もあった。
 多少の金は稼いだから、それでどこか住む場所を借り、ただの町娘として働くこともできたのだ。
 あの男に、散々なトラウマを植え付けられたので身体を売るのだけは御免だったが、トラウマをどうにかできればその道を進むこともあったかもしれない。
 しかし。
 私はハンターの道を選んだ。
 主な理由は惰性だったが、夢も希望も無い私の、たったひとつの夢と希望を叶えるためでもあった。
 私の夢とはこういうものだ。
 あの伯母の居る村が、モンスターに襲われるかもしれない。
 そうしたら、私はその村を守る依頼を受けるのだ。
 依頼を受けて、村を襲うモンスターに立ち向かい、ギリギリまで粘って負ける。
 その時には他のハンターを雇い直す暇もなく、そのモンスターは村を襲ってくれるだろう。
 私の剣によって手傷を負わされ怒り狂ったモンスターが、村を壊滅させてくれるだろう。
 自分が、この世に恨みを残すことなく逝くとしたら、もうこの方法しか思いつかない。
 これこそがハッピーエンドだ。あとはあの糞野郎が何らかの理由で苦しんで死ねば、それで大団円だ。
 ギルドから発表されるモンスター分布情報で、今でも私は毎日あの村周辺のモンスター出現情報を確認している。あの辺りにモンスターが現れることは、一度たりともなかった。
 悪運の強い村だった。
 それにしても脇腹が痛い。
 
2.出会い
 誰も私とパーティを組むことがなくなってから、しばらく経った。
 どこの集会所に行っても孤立することになったので、私は地方を渡り歩くことをやめ、最初にハンター登録をした集会所を定宿にしていた。
 ジャギィを狩って素材を金に替えたり、採集に行って小銭を稼いだりしている時以外は、集会所で他のハンター達の会話に耳を傾けていた。
 つまり盗み聞きをしていた。
 私に話しかけるハンターなど皆無だったので、この方法でしか情報を得ることが出来なかったのだ。
 ある時、ガンランス「ホワイトキャノン」を携えた女ハンターが集会所を訪れた。
 名前をフレイアといった。赤い毛並みのロキというアイルーが常に寄り添っていた。
 眩しい女だった。
 私よりも一つか二つ年上のようだったが、それでもハンターとしてはかなり若い。
 亜麻色の長い髪をなびかせ、コロコロとよく笑う。誰にも物怖じせずに話しかけ、その立居振舞は美しく、上品だった。皆から注目されていた。
 私は耳を離せなかった。
 私とは違う。愛されて育ったのであろう。良い教育を受けたのであろう。周囲すべてが彼女の味方だったのであろう。
 私は、基本的に感情を外に出さないようにしている。
 どうせ負の感情しか持ち合わせがないし、そんなものを表に出したところで、ますます嫌われ、生きにくくなるだけだとわかっているから。
 そのかわり、自分の内側の感情には素直になることにしている。
 嫉妬と嫌悪感は、慣れ親しんだ大切な感情だった。私の精神力の源でもあった。
 私は素直に彼女に嫉妬したし、嫌悪感を抱いた。ただ、表に出さなかっただけだ。
 そんな私に、彼女は話しかけてきた。
 集会所の空気がざわつき始めた。
 あいつとは話さない方がいい、と、集会所の誰もがフレイアに教えたいのだが、天真爛漫すぎる彼女にそんな負の話題を振るのは嫌だという連中ばかりだった。
 フレイアは何とかの滝の村から来たと、自己紹介をしていた。
 聞いたこともない村だった。
 私は、頭のなかに「よろしくおねがいします」とか「ごめんなさい」「お疲れ様」といった当り障りのない定型文を作り出し、ただそれだけを使って返事をしていた。
 実のない会話をしていれば、すぐに離れていくだろう。そう思っていたのだが、フレイアはなぜか私との話を続けた。内容はよく覚えていないが、ポロリと「あなたに興味が出てきた」と言ったのだけは記憶している。会話として覚えているのではない。この言葉をフレイアが発した時、ロキという赤い毛並みのアイルーが妙な表情をしたので印象に残ったのだ。
 ロキの、またか、と、呆れるような表情。なんで、と、訝しむ表情。
 私も訝しい。なんで私に興味なんぞ抱く。
 結局、私はフレイアとギルドカードを交換して、一緒に狩りに行くことになった。
 ギルドカードの交換など久しぶりだったが、まぁどうせ、誰とでもギルカをやりとりする性格なのだろう。持っているギルカがいっぱいになれば、まず最初に破棄されるのは私のやつだ。
 狩場でのフレイアは、自己流の私とは違い、ガンランスは見事な腕前だった。
 何とかの滝の村の村付きハンターにみっちりと技術を仕込まれたのだという。鬼のような教官で、地獄のような特訓だったと、彼女にしては珍しく顔をしかめてそう言っていた。
 両親に愛され、村の中で可愛がられ、村付きギルドガールからは知識と教養を学んだのだそうだが、その上ハンターの師匠まで居るのか。
 私の中のフレイアに対する嫌悪感は極限まで高まった。表には出さなかったが。
 ちなみにその師匠は中年の男性だったそうだ。
 私にも中年男性の師匠がいた。そいつは私から大事なものを奪うだけ奪い取っていった。
 そいつのことを思い出すと体調が悪くなるので、努めて記憶から追い出すようにした。
 努力のかいがあり、今ではもう顔を思い出すことができなくなった。名前も記憶から抜け落ちている。
 ただ、そいつにやられたことはあまりに鮮明で忘れることが出来ない。
 だんだん身体が寒くなってきた。

3.狩り
 さて、今の私の状況に近づいてきた。
 私は今、フレイアと狩りに来ている。もう何度目かの共同作業だ。赤い毛並みのアイルー、ロキも居る。
 今回は初めての、大物との戦いだった。
 相手はジンオウガ。
 私はとにかくこのモンスターが嫌いだ。理由はわからないが、見るだけで、その名前を聞くだけで、全身に怖気が走る。憎しみがほとばしり出る。殺したくなる。乱獲したくなる。
 ただ、今までそれに成功したことはない。私の装備と腕前で、ソロでジンオウガに挑むなど自殺行為なのだ。
 関係ないが、私はわりとこやし玉は好きだ。
 特にジンオウガのような美しい見た目のモンスターにぶつけ、嫌がって逃げ出す様を見るのは大好きだ。ゾクゾクする。
 今回。採取もせずに、私はかなり頑張った。
 ハンターカリンガを強化して作ったポイズンタバルジンでもそれなりにダメージを通すことが出来た。フレイアが砲撃を加えてジンオウガの四肢の甲殻を破壊してくれたおかげだが。
 モンスターを攻撃することを楽しいと思ったのは久しぶりだった。
 ただ、そのせいで気分が高揚し、攻撃に逸りすぎた。
 重い上に整備に手間のかかるガンランスのフレイアを置き去りにして、私は場所を移動したジンオウガを一人で追った。
 ジンオウガと、一対一で対峙した。
 そして普段の私ならば三回切って離れるところを、力を込めた回転斬りにまで繋げようとした。
 反撃を喰らった。
 脇腹を、ジンオウガの爪に切り裂かれた。
 もう、痛みも感じなくなってきた。
「ちょっと! 一人で先に行かないで……って、何しているの! その傷!」
 やっと追ってきたフレイアが、木にもたれかかっている血まみれの私を見つけた。
「……ジンオウガなら……脚を引きずって逃げていった。罠を張って……待っていれば、捕獲できる。行けよ」
 傷と疲労のせいか、しゃべるだけで息が切れる。
「そんな事していたら貴女が先に逝っちゃうよ。なんでネコタクを呼ばないの」
 フレイアが、テキパキした動きで私の脇腹に包帯を巻きながら言った。
「……契約していない……ネコタクとは……」
「ハンターとして最悪ね、それ。ネコタクの保険は義務づけられてるのよ」
「……やられなければ……なんの問題もないだろう」
「しっかりやられてるじゃないの」
 包帯を巻き終わったフレイアは、空を見渡した。
 その視線の先には、ギルドの観測気球があった。フレイアはその気球に手を振った。
「何をする……つもりだ」
「リタイアよリタイア。今すぐ貴女を連れて帰らなきゃ、本当に死ぬよ」
「……いいよ……別に。……フレイアには関係ないだろう……私が死んだって……」
「関係あるわよ。前に言ったじゃない。あなたに興味が出てきたって。貴女が死んだら、私はどうやってこの好奇心を満たせばいいの」
「諦めニャ」
 そっと私に近づいていたアイルーのロキが言った。
「フレイアは、心の病気ニャ。こいつは好奇心を持ったら、あらゆる常識を捨ててでも、それを満たそうとする、そういうやつニャ」
 なんだそりゃ。訳がわからん。
「なんで、お前に興味をもったのかは、オレもわからニャいが……」
「……お前とか……貴女とか……」
「ん?」
「名前で呼べ……」
「そうねウルズ。さあとにかく帰るわよ」
 ギルドの気球が緊急着陸の体勢をとっていた。

4.申請
 数日後。
 ギルド内にあるハンター専門療養所の大部屋で、あてがわれていたベッドの上に私は居た。
 下半身はズボンを履いているが、上半身は裸に包帯巻きだ。サラシのように脇腹をギッチリと抑えられていた。さすがに胸は包帯で隠されているが、男性も大勢いるここではあまり気分の良い格好ではなかった。
 脇腹の傷の痛みに脂汗をかきながら、私は上体を起こして一枚の書類に記入していた。
 嫉妬と嫌悪の他に、劣等感まで感じながら、私はその書類の最後に自筆のサインを入れる。
 私が持っていないものを全て持っている女に、ついに命まで助けられてしまった。
 借りを作ってしまった。
 意識せざるを得ない。そういえば、初めてあの女が集会所に現れた時もそうだった。自分とは全く関係のない相手なのに、話を盗み聞きすることをやめることが出来なかった。
 意識せざるを得ない。なぜだろう。フレイアから意識を外せない。
 とにかく、借りは返さねばなるまい。
 返さねば。せめて借りを返さねば対等の立場で話すことすら出来ない。
 ……私は。
 フレイアと対等に話したいのか? 生まれも育ちもまるで正反対の、あの女と……。
「フレンド登録申請書ね。フフ、なるほど」
 思索の暗闇に陥っていた私の意識を、フレイアの声がいきなり呼び戻した。
「い……いつの間に……返せ」
 フレイアの手にある書類をひったくろうとしたが、しかし優雅な動きでこれをかわされ、私の手は空を切った。いきなり動いたせいで脇腹の痛みが激化し、全身を襲った。
「グ……」
 痛みに呻く私に近づいて、フレイアは囁くように言った。
「あなたは、私に興味をもったのね」
「……好奇心を満たすなんぞ、恵まれた人間が、道楽でやるようなことだ」
 自分自身が探していた、フレイアを意識する理由の答えを言い当てられたような気がして、私は思わず反発した。
「そうかしら。じゃぁなんで貴女は……ウルズは、この書類を書いたのかしら」
「借りを作りたくないからだ。この借りを返すには、とりあえず連絡が取れなくては……」
「そんな理由なら、この申請は断るわ」
 私は何も言えなくなった。
 自分の心が、沈んでいくのが分かった。
 なぜだろう。そんなの、別に当たり前のことだ。嫌われ者の寄生からのフレンド申請など、よく考えれば受けるハンターなど居るはずがない。
 当たり前の対応をされて。
 それを当たり前だということも理解できているのに。
 なぜ私の心は、こんな一瞬で、暗闇の底に沈んでいくような動きをしているのか。
 そもそも、なぜ、私は、フレンド登録申請書など、書こうと、思ったのか。
「ウソだニャ。フレイアが好奇心を抱いた対象から離れるわけがないニャ」
 フレイアに付いてきていたロキが私に言った。俯いていた私は、ギョッとして赤い毛並みのアイルーを見た。
「だからウルズ……」
 ロキが、多少の哀れみを込めた口調で言った。
「そんニャ悲しそうな顔をするニャ」
 慰めるように言うロキの向こうに、鼻歌を歌いながら申請書にフレンドコードを書き込んでいるフレイアの姿があった。
「そんな顔なんてしていない」
「お前は、フレイアと違って感情がわかりやすいニャ」
「! そんなはずない」
「あるニャ。お前は感情を圧し潰して隠しているだけニャ。だからちょっと動揺しただけで仮面が剥がれるニャ。フレイアを見るニャ。あいつは喜んでいても怒ったように振る舞えるし、哀しい時でも楽しんでいるように見せかけられるニャ。わかりにくいニャ」
「ちょっと」
 フレイアが「怒った表情」をしてロキの頭をポカリと殴った。
「変な事を言わないでよロキ。私は自分の感情に素直です」
「ハ。フレイアが素直なのは、自分の欲求に対してだけニャ」
 フレイアはそれに対しては何も言わず、ロキを押しのけて私のベッドの横に立った。
「それじゃ、これからもよろしくねフレンドさん」
 天使のようなほほ笑みを浮かべながら。
 フレイアは記入の終わった書類を私に返した。
「よ……よろしくおねがいします」
 私の。
 これが初めてのフレンド申請だった。
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category: モンハン小説

TB: 0    CM: 4   

コメント

参考になります

世界観やストーリーありきのキャラ作りですか。
ロキさんの場合、ガルガリの村という独自の世界がありますからね。
自分には世界観から作るだけの力は無いので。
キャラありきになりますが。

書きながらキャラクターが出来るというのは分かる気がします。
何故か自分の意志とは違った方向に進んだりするんですよね・・・。

先日、フレさんとの長話の際、キャラについて話をして。
モヤモヤしていたイメージが形になって。
それを元にエピソードが浮かんで。
書き出すと勝手に話が進みだすという。

それにしても。
あのフレイアがこんなに女性らしく成長するとは。
もっとサバサバして、男勝りな感じになるのかと。

相方さんは・・・なかなか壮絶な過去ですね・・・。
こういうキャラは・・・内面を描くのが大変ですね。
少なからず、自分の負の面が出ますからね・・・。
いや、自分の場合は、かな?

四章分の第一章との事。
まだあと3回あるって事ですね、わっくわく。
続きも楽しみにしています。

yuki #Z0eBfVjg | URL | 2015/08/26 22:23 | edit

Re: 参考になります

>>yukiさん

>モヤモヤしていたイメージが形になって。
それを元にエピソードが浮かんで。
書き出すと勝手に話が進みだすという。

自分もこの気持はわかります。
自分の場合、キャラ単体、エピソード単体というより、それが一緒になって「モヤモヤ」になっているような気がします。
逆にキャラ単体で何か思いつけと言われても、自分は出来ない気がします。

ちなみに。
このモヤモヤが出てくる時や、それが形になる時って何かのきっかけから一気に行くことがあります。

今回のこの話……というか、ウルズというキャラクターは、クルマに乗っていた時にラジオから流れてきた
Coccoの「強く儚い者たち」の一節を聞いた時、一気に形になりました。
こういう経験は、南海あってもわりと興奮するものです。

ところで。
「強く儚い者たち」は、さすがに歌としては知っていたものの、実は歌詞はをちゃんと聞いたことが無く、トビウオのアーチくらいしか知りませんでした。

ウルズの性格を決定づけたのは「嵐の中で戦って 突風の中 生き延びて ここに来たのね」の部分なのですが。

帰ってからちゃんと歌詞を調べると。
……
…………
いやー、まさかあんなに刺激的な歌詞だったとは……。

ロキ #- | URL | 2015/08/27 18:03 | edit

ワクワク♪

また新しい展開で最後まで楽しく拝見しました(o^_^o)

フレイアの意外な成長に驚きつつ、このコンビの行く末が気になり胸が躍ります♪

まさかのゆうたの概念が存在するとは(笑)

思わずブハァとなりましたよ(≧∀≦)

続きはよ(笑)


本編に番外編と大変だと思いますがここに1人、楽しみにしてる読者がいますよ(*⌒▽⌒*)

無理せずマイペースに書き上げていってくださいね(^^ゞ

楽しみにしてま~す(^-^)/

けんゆう #028lExxE | URL | 2015/08/28 06:13 | edit

Re: ワクワク♪

>>けんゆうさん

ご感想いただきありがとうございます。
本当に励みになります。

ゆうたという言葉を入れるのは、実は最初はちょっとためらっていたのですが。
これを入れたおかげで、その後、「改造」「悪魔アイルー」「定型文」「フレンドコード」などゲーム内外の言葉を組み込んでいくことが出来たので、自分としてはやっぱり入れてよかったかぁと思っています。

次は、小説ではないMMD杯EX用朗読動画を作って。
本編第五話の朗読動画を作って。
ガンランスのモーション動画を作って……。
その間にゲームのプレイとブログの更新をしていこうと思っています(白目

ロキ #- | URL | 2015/08/28 07:44 | edit

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