モンハンブログ 週末の笛吹き

主にMH3GとMH4、MH4Gそしてモンスターハンタークロスのプレイ日記を書いていきたいと思います。現在は「ロキ」という名前でオンラインに出没中。モンハン以外の事を書くブログ「ロキの試験的駄文」も始めました。

モンハン小説第四話「11匹のアイルー達」その1 



動画をアップしました。
ただの朗読動画なのに、キャラが増えました。

どちらも結月ゆかりと同じ「VOICEROID+」という音声読み上げソフトのシリーズで、金髪の方が「弦巻マキ」。緑髪の方が「東北ずん子」という製品。
ちなみに、弦巻マキの方が結月ゆかりよりも先に発売されており、東北ずん子はあとに発売されました。先輩後輩です。

朗読動画の第四話はその3まで続く予定。
できれば6月中に第四話を終わらせて、7月にモーショントレース系、8月に朗読動画の番外編(こやし玉回)をUPしたいと思っています。

例によって折り畳み先に本文も掲載しておきます。


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1.ヘイムダルと11匹の猫

 モンスターなどの日常的な脅威からガルガリの滝の村を防衛するために。
 また、暗躍する密猟者たちへの牽制や、ガルガリの森の生態報告など、幾つかの理由からハンターギルドはガルガリの滝の村へヘイムダルを派遣した。
 村付きハンターとして着任したヘイムダルは、その任務を円滑に果たすために、村に居着いていた11匹のアイルーたちと契約を交わし、報酬を支払って使役している。
 ヘイムダルが雇い入れたアイルー達は平均に若く、例外も居るが、契約前にはやることもなく村周辺をぶらついていた者が多かった。
 ヘイムダルは軍隊式の訓練を彼らに施し、拠点防衛の技術を叩き込んだ。
 訓練を受けたアイルーたちの主な仕事は、村の廻りに設営された五ヶ所のベースキャンプを利用して、村周辺の警戒網を築く事である。各ベースキャンプにアイルー一匹以上を確実に常駐させ、残りが村で休みを取るというシフト制を敷いて、彼らは哨戒任務に務めている。
 先ほど、村の南西にある第四ベースキャンプで打ち上げ音爆弾が放たれた。
 それは「モンスター襲来」を意味する緊急通信。
 シフト明けで村に帰っていたアイルーは五匹。
 夏の日中の暑さもピークを越え、そろそろ日が傾き始めようとしている時間帯。
 倉庫を改装して作られたギルド事務所の前庭に、五匹のアイルーが整列している。その前にヘイムダルが仁王立ちに立っていた。風呂あがりのさっぱりした熱がまだ冷め切っていないが、しかしその立居振舞には問答無用の迫力が感じられた。ヘイムダルの後ろには受付嬢のユヅキも控えている。
「ロキ!」
「ニャ!」
「トール!」
「ニャ!」
「ソグン!」
「ニャン」
「カーラ!」
「ニャァ!」
「スヴィブル!」
「ウニャ!」
「休暇中にもかかわらず、迅速に馳せ参じてくれたことを嬉しく思う」
 ヘイムダルは五匹を見回しながら、低いがよく通る声で言った。
「もはや貴様らは、かつてのゴロツいていた不良ネコどもではない。貴様らの目は、この村を守る立派な戦士のそれである!」
 休めの姿勢をとっていた五匹は、ヘイムダルの激にも姿勢を崩さず立っている。しかし、戦士という言葉を聞いた瞬間、全員がその尻尾をピンと立てた。
「もっと褒めてやりたいところだが、その時間はない。残念なことに緊急事態が発生した。先ほどの打ち上げ音爆弾が示したようにモンスターの群れが村に迫っている。いま貴様らは戦士としての自覚を証明した。続いてはその実力を見せつけろ! 気をつけ!」
 ザッ! という音とともに、五匹は全く同じ動きで、気をつけの姿勢を取った。ヘイムダルが声のトーンを一段高める。
「今から状況の説明と作戦の内容を伝える。謹聴せよ!」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
「いい返事だ。まずはユヅキの嬢ちゃんから状況の説明がある、頭に叩き込め」
 ヘイムダルが一歩左に移動すると、その後に居たユヅキに、五匹の視線が集中した。
 ヘイムダルの統率力は認めるが、しかしこの乗りにはちょっと付いて行きにくいと思いつつ、ユヅキは口を開いた。
「先程、第四ベースキャンプに駐在中のエイルから、操虫ドルンキータを使用した緊急の伝令書が届けられました。内容は、第四ベースキャンプの南にて、ドスジャギィに率いられたジャギィとジャギィノスの群れを発見。その数、約50。ドスジャギィを中心に北上しつつあり。至急、対策されたし。とのことです」
「全員、聞いたな!」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
「おそらくは数日前に遭遇したものと同一の群れであると考えられる。その時には終末ノ旋律によって四散させたが、通常では考えられないような短期間で再集結したものと推測する。率いているドスジャギィの統率力は相当のものと考えろ」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
「続いて作戦を通達する。異議や質問のあるものはその都度申し出ろ」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
「作戦の骨子は単純だ。自分とテュールでドスジャギィを討伐し、その後、統率を失ったジャギィの群れを撃退する。だが数が数だ。統率を失った鳥竜達がどのように動くか分からない上に、群れのうちの何割かは村の近くへ出没する可能性がある。全員、村へは一匹たりとも近づけないように心得ろ!」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
「よし。では具体的な作戦の指示に移る。スヴィブル!」
「ウニャ!」
 ヘイムダルに名前を呼ばれたパープルの毛並みの雄アイルーが敬礼の姿勢を取る。普段はチャランポランな所もあるアイルー、スヴィブルだが、緊急時とあってはさすがにそのような気色は見えない。
「貴様は伝令として一から順に各ベースキャンプを回れ。今回の状況と作戦の内容、そして駐在しているアイルーに持ち場を堅持するよう伝えろ。警戒網の空白を作ってはならん」
「イエス! ニャー! 各ベースキャンプを回って、状況と作戦の内容、そして持ち場堅持の指示を通達しますニャ。しかしもし、すでに第四ベースキャンプへ走っているアイルーがいる場合はどうしますかニャ!?」
「その場合は、空いたベースキャンプの防衛に貴様が入れ。空いたベースキャンプが複数ある場合の判断は任せる。他に質問は?」
「ないですニャ!」
「よし。では次、トール! カーラ!」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
 黄トラの毛並みの巨漢トールと、白い巻き毛を持つメスのカーラが、同時に敬礼した。
 トールはヘイムダルのオトモと農場での仕事を兼業しているアイルーで、農場では主に肥料の製造と管理をしている。
 カーラは美しい外見に似合わず、気性が荒く破滅的なところがある。しかしその分、戦闘能力には定評がある。
「貴様らは先行して第四ベースキャンプに入り、エイルと合流して斥候にまわれ。ドスジャギィの居場所を確認し、自分とテュールに伝えろ。自分たちが到着するまで交戦は出来る限り控えるよう。ただし、群れの移動速度が速いと判断した場合は、何らかの足止めを試みろ」
「「イエス! ニャー!」」
 返事をした後、敬礼の姿勢を保ったまま、トールが質問した。
「隊長への連絡方法はどうしますかニャ!?」
「自分たちは、深夜までには第四ベースキャンプに入る。三匹のうちの一匹を伝令によこせ。もし手が空かないのであれば、期を見て音爆弾を打ち上げろ。その場合は音のした方へ直接向かう。今作戦で最も危険を伴う任務だ。心して当たれ!」
「イエス! ニャー! トール、カーラ両名は第四ベースキャンプにてエイルと合流。その後、ドスジャギィの居場所を確定して隊長に伝えますニャ」
「よし。最後にロキ、ソグン!」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
 赤虎のロキと、漆黒の毛並みを持つソグンが、敬礼して指令を受ける。
 ロキはいたずら好きの若いアイルーで、ムードメーカー的存在。
 ソグンは無口で冷静な性格で、廻りからの信頼が厚い。
「貴様らは村の防衛にあたれ。ドスジャギィを倒したら、狩猟笛のギャラルホルンで合図を出す。村にまで聞こえるはずだ。その後の群れの動きは予想がつかん。心して哨戒せよ」
「「ニャー! イエス! ニャー!」」
「以上。何か質問はあるか」
「「ないですニャ!」」
「では作戦行動開始! 各員の健闘を期待する!」
 ヘイムダルが堂に入った動作で敬礼をし、五匹のアイルー達は統率された動きで敬礼を返す。
 そして全員が、そのままそれぞれの持ち場へと走りだした。



2.斥候隊

 森の中での行動速度は、ヘイムダルよりもアイルー達の方が速い。小さな身体を活かし、人間では通れない道も通ることが出来るため、目的地への到達速度となると段違いになる。
ヘイムダルに先行して森へと入った黃トラのトールと白い巻き毛のカーラは、日が暮れきった頃に村の南西にある第四ベースキャンプに到着し、マスカット色の温厚な性格のアイルー、エイルと合流。更に南へと下った。
 石がゴロゴロしている河原を、三匹は音もなく走る。
 大きな満月が登り始める時刻になって、遠くから聞こえる滝の音にジャギィ達の鳴き声が交じるようになった。
 先頭を走っていたエイルが足を止め、無言のまま二匹に振り向いて左手にある藪を指さす。マフモフ装備のトールと、どんぐり装備のカーラも無言のまま頷き、三匹は藪の中へと飛び込んで、ジャギィ達から見つからないように身を隠した。
 三匹が飛び入った藪からは、しばらくの間ガサゴソと音がしていたが、その気配もすぐに消えた。
 さらにしばらくして。
 藪の中からヒョコっと頭を出して、アロイ装備のエイルが双眼鏡を目に当てた。
「いますニャァ。ドスジャギィ。あれは……デカいニャァ」
 レンズの先に、向かい来るジャギィ達の群れが見えた。中心では時折ドスジャギィが鳴き声を上げて、配下のジャギィ達を鼓舞しているのが見て取れる。
「見せて!」
 同じく藪から顔を突き出して、カーラがエイルから双眼鏡をひったくった。
「……群れの数も多いニャ。交戦はするなって言われてたけど、どうするニャ?」
 カーラの声には、なんとなくワクワクしている響きがあった。
「あんなのに突っ込みたがるのなんて、あなたかゲルくらいしか居ませんニャァ」
 緑の毛並みを震わせて、呆れたように言ったエイルが、カーラから双眼鏡を奪い返してトールに渡した。ゲルは、ヘイムダルのオトモアイルーの一匹で、現在は別のベースキャンプに駐在している。
「あんな青ブチの戦闘狂と一緒にしてほしくないニャ」
「どの口で言ってるんだお前は」
 渡された双眼鏡を覗き込みながら、トールが口を挟んだ。カーラはブーたれるように口をとがらせ、黙った。
「しかし、報告では数日前に営巣したのはもっと南だったと聞いていたんだがニャ……」
「かなり北にまで来ていますニャァ。しかも……」
「まだ移動しているニャ。やっぱり足止めしないとマズいんじゃないかニャ?」
 カーラが言う。
「足止めはしなければならんだろうな。しかし突っ込むわけにも行かないだろうニャ。タコ殴りにされるだけで時間稼ぎにならんと思うニャ」
 双眼鏡をエイルに返しながら、トールが答えた。三匹は再び藪の中に頭を引っ込めて、相談する態勢に入った。
「どうしますニャァ?」
「トール、何かいい考えでもあるのかニャ?」
「ふむ……」
 トールは、二匹の問いに言葉では答えずに、持っていたポーチから一つの小さな箱を取り出した。
「なんニャ、それ」
「ずいぶん、厳重に密閉していますニャァ」
「……お前ら、こやし玉を知っているかニャ?」
 秘密の話をするような重々しい声で、トールが二人に聞いた。
「そりゃもちろん」
「いくらなんでもバカにしているのかニャ?」
 不思議そうな表情をするエイルと、ムッとした顔をするカーラ。
 二匹を前に、こやし玉の事を語るトールの声は、次第に熱を帯び始める。
「こやし玉ってのは、普通どう使う?」
「モンスターに投げつけますニャァ」
「するとだニャ。さぁどうなる?」
「モンスターが逃げていくニャ」
「ククク、うむ、確かに最近のこやし玉はそういうものだニャ」
「?」
「最近の?」
 トールの目に、尋常ではない光が灯った。二人の疑問に答えず、トールは装備しているマフモフネコフードのゴーグルを下ろす。
「トール、あんたニャにを……」
「昔ながらのこやし玉ってのはニャ……こうやって使うんだニャー!」
 言うが早いか、トールは密封されていた小箱を開け、中身を藪の外に放り投げた。箱から放り出された茶色いベチャっとした感じの塊は、綺麗な放物線を描いて飛び、糸を引きながら河原へと落下していった。
 その光景は、エイルとカーラの目に、何故かスローモーションのようにゆっくりと映った。
 茶色いその物体が地面に落ちて破裂した瞬間。臭気が黄土色の煙を伴って爆発的に辺りに満ちた。
「見よ! トール様特製のこやし玉の威力を!」
「!……くさっ……! 臭いニャァ!」
「!!! 目に染みるっ! ゲホッ! ゲホゲホッ!」
「グズグズするニャ! すぐに逃げるぞ!」
「オマっ、こんなの使うとか……ッ! 先に言っておけニャ!」
「自分だけゴーグルとか……ずるいニャァ!」
「北上して煙の切れる辺りで待ち受けるニャ! エイルはベースキャンプに戻って、ヘイムダル隊長を待って事の次第を報告しておくニャ!」
 先に駆け出しながらトールが二匹に指示を出す。エイルとカーラは、とにかくその場を離れようと、涙を流し鼻を抑えながら、倒けつ転びつその後を追った。
 彼らが去った河原では、ジャギィたちが異様な臭いを察知して、群れがパニックに陥っていた。
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category: モンハン小説

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コメント

新作(・∀・)キター

毎回非常に楽しみにしています(^o^)

村を危険に晒さないように迅速かつ的確な処置を取るハンターにしっかり対応するアイルー達!!

読む度に世界観にグイグイ引き込まれてしまいます♪

次回作も楽しみです(^^ゞ

気長に待っていますので無理なさらずロキさんのペースで頑張ってくださいね(^o^)

けんゆう #028lExxE | URL | 2015/06/08 11:41 | edit

Re: 新作(・∀・)キター

感想をいただきありがとうございます。
かなり手探りで作っているので、反応があると本当にモチベーションが上がります。

これからも頑張りますので、よろしくお願いしますね。

ロキ #- | URL | 2015/06/08 21:37 | edit

超遅れ馳せながら・・・

新作UPお疲れ様です。
ってもう1週間も前ですがっっ!

ガラケーで見る事が多いので・・・動画だと・・・
自分の方が落ち着いたら、と思ったら予想外の大長編になったので・・・
怠惰なファンですみません・・・。

キャラが増えたと書かれていたので驚いたのですが。
新たに沢山のアイルー達が出て来ましたからね。
そしてこうも登場人物(?)が増えてくると・・・挿絵が欲しくなる・・・
無い画力を振り絞ってみますか・・・。(人物把握が大変!)
ギャラルホルンのデザインの角笛って、アイテムの角笛みたいな?
ユヅキはそのままでいいかな~と勝手に妄想してます♪

ヘイムダルとアイルー達と、街の人々。
世界観がしっかり考えられていて、読んでいて(聞いていて)とても面白いです。
次回作も期待してますね。

・・・結月嬢、前回の件でかなり好感度が落ちたみたいですね。w
ボロクソな言いっぷりに笑いました。

yuki #Z0eBfVjg | URL | 2015/06/15 17:03 | edit

Re: 超遅れ馳せながら・・・

>>yukiさん

鈍器祭り記事、本当にお疲れ様でした。凄い読み応えでした。

それにしても、見ていただけるだけでありがたいです。ありがとうございます。

アイルーばかりいっぱい出てきてしまいましたが、実際には重要になるのはメインオトモのテュールと、こやし玉のトール、そして作中時間で十年くらい後にハンターデビューするとあるキャラの、そのメインオトモになるロキくらいの予定だったりします。

ちなみに上の3オトモは北欧神話の神様(ロキは巨人らしいけど)から。
それ以外のオトモの多くは、同じく北欧神話のヴァルキリーから名前を付けていたりします。

それにしても、絵まで描けるんですかw
マルチというか、全く絵心のない自分としては羨ましい限りです。

自分の中でのギャラルホルンは、モノブロスの角を繰り抜いたような反りの浅い単純な角笛で、持ち手の部分だけ木材やら皮やら金属やらで作られた柄が付けられて、なんか持ちやすく工夫されているようなイメージです(絵心が本当にないので、しっかりとしたイメージが無い……)。

ちなみに脳内設定としてはLv4くらいの発掘狩猟笛。同レベル帯の武器としては強い方。
「終末の旋律」は「小型モンスターがマップから逃げる&オトモおよび高級耳栓のない同行ハンターが気絶」という使いにくい旋律。
ヘイムダル氏は「凄い高周波」程度に考えていたのに、ユヅキ嬢が名前をつけてギルドに登録して正式名称にしてしまった……ココらへんはそのうちキャラ付けや演出として書ければなぁなんて思っていたりします。

次の動画は早めにアップできそうです。
楽しみにしていていだけば本当に嬉しいです。

ロキ #- | URL | 2015/06/16 18:43 | edit

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