モンハンブログ 週末の笛吹き

主にMH3GとMH4、MH4Gそしてモンスターハンタークロスのプレイ日記を書いていきたいと思います。現在は「ロキ」という名前でオンラインに出没中。モンハン以外の事を書くブログ「ロキの試験的駄文」も始めました。

【MMD】自作モンハン小説第一話「ヘイムダルの仕事」【結月ゆかり】 



せっかく作った動画なので、ちゃんとUPしようかと思いました。
文章も動画もカメラワークも未熟な作品ですが、生暖かい目で見守っていただければ幸いです。
第二話も作ったので、続けてUPします。

本文は、記事を折りたたんだ先に表示します。


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 ヘイムダルは村付きのハンターである。ガルガリの滝の村という、大森林の奥の奥にある小さな村に、ハンターギルドから派遣されてもう数年が経った。
 彼の仕事は、主に村の周囲を巡回する事で、村の周りに作られた五箇所のベースキャンプを10日間ほどかけて廻った後、村に帰ってギルドへの報告書を作り、その後は短い休日を楽しみ、そして準備をしてまた巡回に出る。
 巡回中にモンスターを発見すれば排除するし、時には密猟者と鉢合わせる事もある。
 巡回中は余裕があれば採取をし、しばしば趣味の釣りも楽しむ。そうやって得られた収穫物は、必要な物以外は村に提供して食料や物資、あるいは金に変える。適正な交換を守れば村人からの感謝と信頼も得られる。
 村社会に馴染むまでは大変なこともあったが、今ではもう村の一員と言われるようになった。
 季節は夏。
 巡回5日目。
 順路の三番目に当たる、村から見て南東のベースキャンプから、四番目の南西のベースキャンプに移動している途中だった。
 ガルガリの滝の村は、その名の通り村の南側に巨大な滝があり、三番目と四番目のベースキャンプの間の道は、その滝に最も近づくルートである。
 鳥や虫の鳴き声に混じり、滝の音が遠くから響いていた。
 森の中の狭い道を、人の背丈ほどもある角笛のような形をした狩猟笛「ギャラルホルン」を背に、彼は馴れた足取りで進んでいる。
 ヘイムダルの耳に、遠くの滝の音とは別に、近くから河の音が聞こえ始めた。三番四番をつなぐルートは、途中でガルガリの河を渡らなければならない。川音が聞こえ始めれば、それはこのルートも中間地点近くまで来たことになる。
 歩くヘイムダルの先で、鬱蒼とした森が突然途切れ、目の前が開けた。
 そこは滝につながる大河のほとりの、ゴロゴロした石が転がる河原であった。それまで木々に遮られていた日光が、ここでは燦々と降り注いでいる。光は更に水面に反射し、薄暗い森の中に目の慣れていたヘイムダルは思わず目を細めた。
 まぶしすぎる光を遮るために額に手を当てているヘイムダルの後でガサリと音がし、一足後ろを付いてきていたオトモアイルーのテュールが、ヘイムダルに続いて河原へ降りてきた。
 テュールは白い毛並みを紫のジャギィ装備で包んだオトモアイルーで、背には大きなリュックを背負っている。
 テュールの持つ武器は、切先の尖った剣鉈と呼ばれる山刀で、柄の先端に長いロープが付けられていた。他ではほとんど見られない代物だが、テュールはこの得物に固執していた。ナイフの付け根に付けられたロープは、今は丁寧にくくられ、少しだけ大きな飾りにしか見えない。
 ヘイムダルは降りてきたテュールを見て、河の方を指差した。その先にはごく小さな木造の小屋があり、河の上まで板を張り渡した船着き場があった。
 そこには一頭のアイルーがおり、船着場に結わえられている、これもまた小さな丸いたらい舟の番をしているのが見えた。
 ガルガリ河の船着場を守っているこのアイルーは、ハールバルズという名で、普段は三番目のベースキャンプに常駐している。
 灰色の毛並みで右目の無いこのアイルーは、普段はベースキャンプに常駐して周辺を見回りながら、ヘイムダルの巡回に合わせてたらい舟の準備をするのを仕事としていた。
 他のベースキャンプにもそれぞれアイルー達が常駐しているのだが、普通は交代制で村と行き来している。
 ハールバルズだけは少し特殊で、森の中の生活を好み、あまり村に寄り付かず、ベースキャンプで独りで生活していた。
 いつものように、ヘイムダルは船着小屋へと行き、1ゼニーをハールバルズに渡した。船を出す度にコインを渡すのが、ハールバルズから要求された特別な報酬だった。
 ただ、村に寄り付かないこのアイルーが、溜め込んでいるゼニーを何に使うのか、知る者は居ない。
 船着場に繋がれているのは小さなたらい舟だが、一人と二頭が乗るには丁度よい大きさでもある。ハールバルズは、自分の背丈よりも長い一本の櫂を巧みに操り、ガルガリ河の流れを物ともせずに渡っていった。
 対岸まであと少しという所まで来て、テュールが鼻をひく付かせてヘイムダルを見上げた。対岸に紫の影、二足歩行する小型の鳥竜種ジャギィの群れの姿があった。モンスターとしては小型とはいえ、人間に近い大きさの体を持ち、鋭い爪と牙、そして強靭な脚を持つ、危険な存在である。
 このようなモンスターを狩り、追い払うために、ヘイムダルは日常的に村の周りを巡回している。
 幸いジャギィたちはまだこちらに気付いてはいなかった。
 対岸の船着場に付くと、ヘイムダルとテュールは静かに素早く荷物を船から降ろす。
「ハールバルズ、すぐ戻れ」
 ヘイムダルはハールバルズに対し小声で指示を出した。モンスターの排除はヘイムダルとテュールの仕事である。ハールバルズに無理をさせることは出来ない。
 しかしハールバルズは長い髭を震わせ不敵に笑うと、手早くたらい舟をもやい、大きな櫂を背負って立った。
 肩をすくめるヘイムダルの前を、テュールが白い毛をピリピリさせながら通りぬけ、船着場から河原へと降りる。足音も立てていないが、しかしジャギィの群れはこちらを発見した。
 ジャギィ達が戦闘態勢に入り、背を低く構え甲高い声をあげながら威嚇する。その後ろでは、大きな身体のジャギィノスが二匹、不気味な唸り声を上げていた。全部で五匹の群れで、これはおそらくは斥候隊だろう、とヘイムダルは思った。
 となると、かならず近くに本隊がいる。本隊を呼ぶ前に全滅させられなければ厄介な事になる。
 戦いの火蓋は、先頭にいたジャギィとテュールの間で切って落とされた。
 挑発が効かないと知ったジャギィがテュールに襲いかかり、テュールはそれをかわして手にした剣鉈で反撃を加えた。切られたジャギィは血を流しながらも臨戦態勢を解かず、テュールと睨みあう。
 それを皮切りに他のジャギィ達も牙を剥き、一気に襲いかかってきた。
 乱戦の中、ハールバルズが櫂を振り回してジャギィをふっ飛ばし、テュールが素速い動きで剣鉈を振るう。しかし身体の小さな彼らの攻撃は軽く、一撃でジャギィを倒すことは出来ない。むしろ攻撃の隙を他のジャギィに突かれて傷を負う。
 ヘイムダルは、三匹のジャギィはオトモたちに任せ、背負っていた巨大な角笛を構えてジャギィノス二頭を相手取った。
 人の背丈ほどもある角笛を、右手でぶん回し、両手持ちで叩き付け、襲い来るジャギィノスを寄せ付けない。
 ヘイムダルの狩猟笛ギャラルホルンは、振り回すたびに低く高く音を奏で、それは一種の音楽となって響いた。
 ギャラルホルンの笛の音は、敵には恐怖を、味方には勇気を呼び起こさせる。
 ヘイムダルと戦っていたジャギィノスの動きは鈍り、まずは一匹が頭に笛を叩きつけられて動かなくなり、それを見て怯んだもう一匹が、ブン回される一撃を腹に喰らい、内臓を破裂させて絶命した。
 目の前の敵を片づけたヘイムダルが振り返ると、ジャギィも既に一匹が血を流して倒れ、もう一匹が丁度ハールバルズの振るう櫂に叩き伏せられた所だった。
 最後に一匹残されたジャギィは、強がるように威嚇し、しかし後退りながら向かいあうテュールと距離を取り、ある程度離れた所で後を向き逃げ出した。
「まずい! 逃げるぞ!」
 ヘイムダルが叫んだ。ただ逃げるだけならばよいのだが、ジャギィは群れで生きる。仲間を呼ばれると厄介なのだ。
「テュール! 頼んだ!」
 ヘイムダルが合図した時には、既にテュールは剣鉈の紐を解いており、全身を使ってそれを投擲した。
 逃げるジャギィの上を、剣鉈は弧を描いて飛び越え、柄に付けられていたロープがジャギィの脚を絡めた。走っていたジャギィがバランスを失い転倒すると、投擲と同時に走り出していたテュールが、ジャギィに絡みついた紐の先にある剣鉈を手に取って、もがくジャギィの喉笛をかき切った。
 ジャギィは血を吹き出しながら倒れ込み、すぐに動かなくなった。
 ジャギィの群れとの戦いを終えた後、ヘイムダルたちはジャギィの死骸を河まで運び、血を抜きながら肉と革とに解体した。返り血を浴びた自分たちの身体も洗うと、今度こそベースキャンプへと戻るハールバルズにジャギィ達の素材を預けた。
 そしてヘイムダルとテュールは、正規のルートを外れて河原を南に下った。
 河原の側にある藪に身を隠しながら、一人と一頭はゆっくりと南下する。
 滝の音が大きくなってくる。
 ガルガリの滝の村がある樹海は、大河が南北を縦断する国内でも屈指の大森林である。
 大河の流れ行く先には、東西を横切る長大な断崖があり、水量豊かな河の水は、そこで雄大な滝となって流れ落ちる。
 その大瀑布をガルガリの滝という。
 その落ち口が今、藪に身を隠すヘイムダル達の目の前にあり、そしてそこでは、轟々たる水音の中、ジャギィの大群が営巣しつつあった。
 群れの中心には巨躯を誇るドスジャギィがおり、数十匹のジャギィの群れを駆り立てるように鳴いているように見える。
 全ての音を、滝の音が呑み込んでいた。
 なぜこんな所に集まっているのかは判らないが、先ほどの戦闘が気づかれなかったのはこの滝の音のお陰だろう。
 ヘイムダルはテュールの耳元に顔を近づけ、何事か囁いた。
 テュールは頷き、茂みの奥に下がり、肉球のある手を耳にあて、すっぽりと覆う。
 それを確認してヘイムダルはギャラルホルンを口に当てた。
 鼻から思い切り息を吸い込み、腹の中に空気を溜め込む。
 一瞬の間を置き。
 彼は全身全霊をもってギャラルホルンに息を吹き込んだ。
 角笛ギャラルホルンから、爆音が響き渡る。
 ヘイムダルは生命を注ぎこむように。ギャラルホルンはその全てを受けて。
 音は鳴り響く。
 ギャラルホルンの笛の音は、ジャギィ達の鳴き声を飲み込み、滝の音をも圧倒し、空気を切り裂いて森林に鳴り響いた。木々は震え、流れる川面はその音圧のために波立った。
 森からは鳥が一斉に飛び立ち、ヘイムダルを爆心にし、あらゆる生命が危機を感じ、あらゆる方向へ逃げ出した。
 それほどの旋律。
 終末ノ旋律と呼ばれる大音響を、ヘイムダルとギャラルホルンは奏で出していた。
 群れなすジャギィ達も、そのショックからは逃れ得なかった。
 天敵のリオレウスでも、恐ろしいディアブロスでもない、とんでもない存在がこの森にはいる。彼らの生存本能はそう訴えた。
 群れは恐慌をきたし、無秩序に四散した。
 ただ、長たるドスジャギィのみが森を睨み、群れをまとめ直そうと吠えた。
 しかし直前に響き渡ったギャラルホルンの旋律と比べてその声は余りに貧弱で、まるでそれにショックを受けたかのように彼は俯き、その後は低く唸りながらその場に留まって、群れが全て逃げ去った後、自分も身を翻して去って行った。
 ジャギィの群れが消え去って、辺りにはただ滝の瀑音のみが残った中、 ヘイムダルは河原に降りた。完全にジャギィの気配が消えているのを確認してから、彼は奥の茂みで耳を塞いだまま気絶しているテュールの首筋を掴んで持ち上げ、肩に担いだ。
 彼は、ともかく一仕事を終えた。
 ヘイムダルが、テュールとギャラルホルンを抱えてもと来た道を戻り、船着場にたどり着いた時には既に日が傾きかけていた。
 船着場の木板の端でテュールが目を覚ました時、空にはすでに一番星が輝いていた。河原には即席の竈が作られており、串に刺された魚が二匹、焼かれている。
 上体を起こして辺りを見回すと、日の暮れ始めた船着場の舳先で、ヘイムダルが釣りをしていた。
「おお、起きたか」
 ヘイムダルが、中年の男性らしい低く落ち着いた声でテュールに声をかけた。彼の脇にあるバケツの中で、魚がはねた。
 テュールは耳を引っ張って、まだジンジンするとジェスチャーで示す。
 ヘイムダルはそれを見て笑いながら、竿をしまい、バケツの中の魚を取り出して、ハンターナイフでさばき始めた。そしてこれも串に刺して、テュールに投げよこすと、テュールはそれを受け取り竈まで走って、火の側に刺した。
 先に焼き始めた魚からは脂がしたたり、火に落ちてはジュウジュウと音を立てる。食欲をそそる香ばしい香りが辺りに漂っていた。
 ヘイムダルが竈を挟んでテュールの向かい側に座り、串刺しの魚を手にとり豪快に齧り付いてから、言った。
「予定外だが、今日はここで野宿だ」
 テュールも、もう一匹の魚を取り、頷いた。
「食べたら、月が傾き始めるまで寝ておけ。その後の寝ずの番は任せる」
 テュールは再度頷いてから、ヘイムダルと同じように豪快に、焼き魚に齧り付いた。
 辺りが急激に暗くなり始め、竈の火だけが鈍く輝く中で、 新しく焼き始めた魚から、脂が滴り落ち始めていた。
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category: モンハン小説

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